北欧倶楽部のパン、最後はショコラ。
見た目は随分と美味しそう。
だが持ってみると、生地表面にはパリッとした張りがなく、油脂感がほぼなし!
持つと、その部分がパキッとではなく、フニャッと少しへコんだほど!
この生地はもう、デニッシュ生地とは言えないのでは?
食べてみると、生地は感触から分かるとおり、まったくサックリとはしていない。
サクサク感は皆無で、これはデニッシュ生地でなく、普通の菓子パン生地。
なのでデニッシュ生地である通常の”パン・オ・ショコラ”と思って食べると拍子抜け。だが菓子パン生地の”パン・オ・ショコラ”と思って食べれば、味はまあ悪くない。
サクッとせず食感こそ良くないが、表面にとろけたチョコ、内部に固まりチョコがあり、チョコ多めでそれなりに美味しい。
しかしながら安っぽいチョコの味で、まさにジャンクな菓子パン。
昔ながらの菓子パンとも言えそうで、一昔前の、チープな「これぞ菓子パン!」といった感じ。
好きな人には好かれそうだ。
そしてこのチープさ、反って今の意識高めのパン屋さんでは作れない、再現し難いパンかもしれない。
ある意味では貴重なパン。
ただしそれは、”パン・オ・ショコラ”としての本来の物を求めた場合以外のときに言えること。
断面。
改めて生地を噛み締めると、一般的な菓子パン生地というよりかは、乾燥したシュークリーム生地のような食感、柔らかさにも感じた。
パン・オ・ショコラは何件かのパン屋で食べたことがあり、『良いショコラ』を知るためにも、敢えて『悪いショコラ』を知ろうと買ってみた95円パン・オ・ショコラ。
結果はある意味で予想外。
パン・オ・ショコラとして捉えれば最悪であろう。そもそもデニッシュ生地でないし。カニを食べようとしてカニカマを食べたようなもの。
これはもやはや正統な『パン・オ・ショコラ』というカテゴリーとは別であったと言える。
しかし菓子パンとしては普通、まあまあかな。