4月に読んだ本からのオススメトップ10
4月に読み終えた本は32冊。
そのうちからオススメのトップ10を紹介!!
第10位
『絶対味覚』
川越シェフのチャラチャラしたイメージから、流行に便乗して出した本だと勝手に思い込んでいた。
しかし内容は意外とまじめ。
“味の引き出し”を持つ事は料理上手になること。
その“味の引き出し”は美味しい料理を再現する上では必要なスキルとして、そのスキルの取得方法を述べる内容。
“味の引き出し”を形成する上で食べ歩きは重要ながらも、お店の選定は一筋縄にいかない。そんな折、的確な場所として挙げていたのがファミレスなのは意外。しかしその理由は大いに納得できるものであり、用はファミレス料理の味というのは数々の試行錯誤や研究によって生み出された“普遍的に美味しい料理”であり、その味を食べ覚えることにより、普遍的な“美味しい味”を覚えられるから。
そして重要なのは「ただ食べる」のではなく、「どうすればこの味を再現できるか?」と疑問し、課題を見つけること。この“課題を見つける”というのが最重要であり、これが味覚上達につながるとのこと。
いわれてみれば確かに、食べ歩きでは単にそこの味の良し悪しばかりを気にしていて、そのお店の味を再現しようとまで思わず終いで居た。
故に、目から鱗の本。
第9位
『家庭の科学』
朝からトラブル連発のファッキングな一日を科学的に検証。
焦がしたパンも、床にこぼしたワインも、転んでこけた事も、原因を知り対処すれば問題ない。
なんで自分ばかりがこんな目に!?ついてないなあ。
そう思うことが在れば是非とも本書を手に取り読めば「なるほど、こういうことか!」と納得する事請け合い。
科学は客観的であり、そしてあなたの味方なのだから!
後は本書主人公のあまりの悲惨さに目がいき、自分はまだマシ…と思えるはず。そして同情したくなってくるほどだろう。
第8位
『ドーナツの歴史物語』
_ ∩
( ゚∀゚)彡 ドーナツ!ドーナツ!
⊂彡
第7位
『食と味覚の科学―21世紀の食と健康を考える』
記事にも書いた一冊。
食と味覚の科学―21世紀の食と健康を考える - book and bread mania
ページ少なく薄い本ながらも人工甘味料の如く濃密な内容。
第6位
『細胞から元気になる食事』
内容は分子整合医学という、聞きなれない分野から健康に関しての知識を説くものであり、その内容は思いのほか実用的であり科学的。
これを読み、著者が言うように『健康』とは細胞が問題なく働けている状態なのだと思えるように。この本は科学的知見を多用して解説をしているため、説得力があり健康に繋がると言う原理も分かり易い。
例えば、オメガ6不飽和脂肪酸は現代では過多気味であり、名前に反して飽和状態気味。その悪影響として、細胞の膜を作るシステムを阻害したりする。そのシステム源である“エイコサノイド”というたんぱく質の存在も知ることができた。そこではエイコノサイドが細胞膜を作ると知り、同時にその作る膜の性質の違いが、オメガ3かオメガ6によって変わるというのは初めて知り、健康に関して言えば重要事項。その説明で、オメガ6は固い膜を作り血栓を作ってしまう事があって病気に繋がるという事や、オメガ3は柔軟な膜を作る事で細胞間のやり取りを円滑にするなどの知識を得られた。
これにより、オメガ3が重要視されている理由もようやく知ることが出来た。
あと体内のビタミンc量が従来の1/3になると必ず鬱を発症するという研究結果は興味深く、やはり人間の体と精神は機械的気質を主に成り立っているのだと再認識。やはり鬱には、科学的アプローチによる効果が優位に思え、結局鬱患者はビタミンcを多く摂れ!ということだと思う。
そして体内においてのカルシウムの重要性についても学べる。牛豚卵などによるたんぱく質過多摂取と、牛乳によるカルシウム過多摂取は体内でのカルシウム・カリウムバランスを崩し、逆にカルシウムを多く対外に排出してしまうという、悪循環プロセスについても学べるのは有意義であり役に立つ知識。
さらに健康を維持するための食事内容についての記述もあり、ためになり十分過ぎるほどのライフハックも満載。
断食の効果や優位性についての記述もあり、健康と食に関する事柄をこれでもかと学べる一冊。文庫の割に内容は濃くためになる情報は多いので、食と健康の関連性について学ぼうと思っている人は大いにお勧めの一冊!
第5位
『生命に仕組まれた遺伝子のいたずら (東京大学超人気講義録 (file2))』
生命に仕組まれた遺伝子のいたずら (東京大学超人気講義録 (file2))
- 作者: 石浦章一
- 出版社/メーカー: 羊土社
- 発売日: 2006/03/01
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 44回
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講義の内容を本にしたものながら、一般向けであるので分かり易さを重視。それで文体は語り口調であり、専門用語も出る都度に解説があるので分かり易い。
全項に渡って扱うテーマは面白く、遺伝子に関しての専門知識がなくても、まるで娯楽番組のように楽しみながら読める。
痴呆症の原因についてのプロセスもわかりやすく、Aβというたんぱく質が原因、遺伝異状によるその分解の仕方が要因となって要るというのは初めて知り、遺伝の細かい働き1つによってここまで異なるのかと驚く。
あと一人ひとりが持つ遺伝子によって見える色が若干異なるという知見は意外であり同時に面白い。
遺伝子に興味がある人は一読して損はない一冊!
第4位
- 作者: ジェームズ・スロウィッキー,小高尚子
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/11/25
- メディア: 文庫
- 購入: 15人 クリック: 203回
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以前に書いた記事。
『「みんなの意見」は案外正しい 』は2ch絶賛の良本! - book and bread mania
大多数から集めた意見の平均値は大方正しいと主張をする一冊。
その根拠を述べていく内容で、「面白い!」というよりは「なるほど!」となる一冊。
第3位
『医者も知らない酵素の力』
簡易的な記事にした一冊。
最も簡単で効率よく出来るヘルシーダイエット - book and bread mania
消化酵素や代謝酵素は有名だけれど、本書がメインで述べる”食物酵素”はあまり知られてないのでは?
食物酵素がこれほどにまで健康に影響あるものだとは知らず、素直に驚いた。この本では、生で食べることが体に良いとされる理由を様々なエビテンスを交えて述べている。
健康にとって重要なのは酵素であり、これは身体を動かす事はもちろんのこと、生体の恒常性を保つためにも欠かせない。
しかし体の中で作られる酵素には限りが。その限りと言うか負担を減らすために、食物自身が持つ酵素を利用する必要があるとの理由は説得力が大きい。
また、血中の酵素量が健康状態を表すという研究結果も興味深い。アレルギーなどは血中の酵素量を増やせば、アレルギー物質を中和し症状を改善するという結果も面白い。
食物自体による酵素によって消化酵素の負担が軽くなり結果、その分の酵素を膵臓に蓄えられるので健康維持に繋がり長寿になる。実にわかり易いプロセスで、合点が着く。
あと人間は他の動物よりも多く加工された状態の炭水化物を取るので、他の動物と比べて膵臓が大きく肥大化しているのだと見なす姿勢は興味深くもあり面白い。実験結果を見ると確かにその通りで、ヒトは膵臓を酷使していることがわかり、そしてそれが高齢後の衰退要因と見なすのは合理的。だからこの本を読み、今後はできるだけ食物酵素を取り組む事に意識を向けようと思えた。
第2位
『トイレの話をしよう 〜世界65億人が抱える大問題』
記事にした一冊。
トイレの話をしよう - book and bread mania
衛生に対する価値観が変わる本。
日本が如何に清潔かを知れ、糞まみれの世界を知る。
以前、何処かで「どの国の言語においても『糞』は罵倒等の悪い意味で使われている」という話を聞いたことがある。
人類、糞便に対する嫌悪は世界共通。それは糞便からによる病気を防ぐための本能的な防衛反応なのかもしれない。
トイレとは人間の健康な営みを潤滑させるためのものであり、高貴な生き物として確固たる地位を誇示するための道具でもある。
ある場所では誰かが「クソッたれ」と叫び、同時にある場所では「クソ」を実際に外で垂れている。
もしもあなたが外で腹痛に見舞われ、無事にトイレで用を足せたとしよう。するとその時には、耐え抜いた自分の精神力、出会えたトイレのみでなく、このインフラが充実した日本にも感謝をしよう!
日本に住んでいる分では、日本のインフラの充実っぷりに気付かず、海外に出てみてようやく日本のトイレに感謝できる。
けれどこの本を読めば海外行かずとも日本のトイレ事情に感謝ができる。
トイレのドアが無い?普通でしょう。
そんな世界をも知れる本。
第1位
『人間は料理をする・下: 空気と土』
記事にもした一冊。
パンも微生物も好きな人にはぜひ読んでもらいたい一冊『人間は料理をする・下: 空気と土』 - book and bread mania
上下巻からなる一冊だが上巻は未読。
けれども下巻からでも問題ナシ。
内容としては、パンはもちろんのこと、昨今では健康食品として注目されいている発酵食品についても取り上げ、作者が直接それらの食品つくり、挑戦するルポ的な内容。
それが面白いのは著者が博学だからであり、そして謙虚だから。
故にパン職人、発酵食マイスターに著者は会いに行き直接アドバイスを貰いに行く。そうして完成したパンや発酵食品の出来栄えは如何に?
あと面白いのは酒つくりにも挑戦している点で、「酒ってこんな簡単に出来るものなのか!?」と驚くこと請け合い!
ユーモアセンスある文体はテンポが良く、スイスイ読み進められ、スルスルと食品の知識が頭に入っていくような麻薬感覚。
食品の写真を見せその魅力が本能を揺さぶるのが「フードポルノ」であるとするならば、写真ではないにしても食品の魅力を存分に伝え本能を刺激してくるこの作品も十分「フードポルノ」と呼べるだろう!
非常に秀逸な食に関する本であり、発酵好きには堪らない一冊!発酵食に興味が在る人は、とにかく黙って読め!!