book and bread mania

-中途半端なサウスポーによる日々読んだ本の記録 + 雑記 + パンについて-

ハイスコアガールが素晴らしい

 

今更ながらようやく読んだ話題作。

内容は想像以上に面白く、とても素晴らしくてブラボーな作品!!

 

ゲーセン世代、というか格ゲーをやりにゲーセンへ通っていた経験がある人には懐かしい事この上なく、あるあるネタ満載、共感すること間違いなし。

特に秀逸なのは、主人公のハルオが己の感情や状況を、ゲームのキャラやゲームにおける演出を利用して表現する点。

ストⅡの対戦で負けて荒れた、癇癪持ちの女に主人公ハルオは股間を蹴られてダウン。その倒れた際には、”レバガチャ復帰”の模写を入れたのは、笑うと同時に感心。

 

さらに個人的にかなりツボったのは、ファイナルファイトネタ。

協力プレーながらも、味方に危害を加えるのは実にあったあったネタで、ガイが体力ピンチながらもハガーが肉を強奪、体力ピンチで樽上に避難したガイ、その樽を「ふんぬ~」と緊急回避ダブルラリアットで無慈悲に破壊する市長。

主人公と同時に思わず「ちょっ」と声を漏らしてしまい、体験したことあったあったとつい大爆笑。

 

この漫画はゲーセンゲーマーにおける「オールウェイズ三丁目の夕日」のような作品であって、当時の情景や雰囲気が自然と浮かび上がってくる。

 対戦で切れて暴れるやつ、駄菓子屋の店頭にあったネオジオのMVS、ぼろくてレバーの丸部分が取れている台。

作品内に描かれる世界はどれもが懐かしく、そして愛おしかったもの。

ゲーセンゲーマーにとってノスタルジー溢れまくる作品で、そこに練り込まれた青春群像劇は甘酸っぱくもありながらも、ゲーマらしい熱さも混在!

要はストーリー自体も十分面白くて目が放せず、ゲームあるあるネタやパロディネタを扱っただけの色物作品でないところが凄い!

主人公ハルオが道に迷ったとき、ガイルや安駄婆等のキャラクターが出てきて道を教えてくれる。向かうべき正しい道は、自分の信じた道なのだと。

 

ゲームネタ、恋愛模様、人生哲学までと盛り沢山のこの漫画。豪華絢爛な内容であり、「人生で大切なことはすべて〇〇で学んだ」という本が多数出版されているが、これに合せて言うのならば、

「人生で大切なことはすべてゲーセンで学んだ」

そんなことさえも誇って言い張れるような内容の本。

ゲーセンゲーマのみならず、ゲーマーには至極オススメの漫画だ!

 

 

故に、残念で仕方がないのは例の事件のため、盛り上がり所で作品が中断してしまっている事!

本当に続きが気になって仕方がないので、何とか完結まで漕ぎ着けてほしい。