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歴史は「べき乗則」で動く

 

歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)

歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)

 

 なかなか複雑な内容。

だが面白い。

 

べき乗則」とは物事の臨界状態から生ずる結果における、統計的規則。

 

カオスという概念は、単純な物事が複雑である事を教え、

臨界状態という概念は、複雑な物事が単純な振る舞いで成り立っていることを教える。

統計的法則である「べき乗則」は、地震や災害を“いつ起こるか?”を、

明確に示す事はできない。

けれど、“なぜ起こるか?”

ということならば明確に示す事ができる。

 

一見してカオス的、ランダム的な物事であっても見方を変え、フラクタル的観点から検証すると、そこにはある一定の規則性が見出される。

 

 

そこで思うのは、

この二つの近似性。

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これは、脳の神経細胞と宇宙の画像を比べたもの。

一見して似通っており、この近似性を思えば、

もしかすると人の脳の神経細胞と宇宙は、

構造こそ違えど、そこには共通の規則性があるのかも。

とするとここにも「べき法則」を当てはめられるかもしれない。

 

そうして思えば、脳の細胞と宇宙、実は共通の単純な規則性があって、将来、この「べき法則」の発展によって、宇宙の謎が解ける日がくるかもしれない。

 

 

あと、この「べき法則」は様々なところで見ることができ、地震の頻度や火事の発生率、株の動きにまで応用が出来るもの。

この「べき法則」、物語などの製作分野においても活躍が期待でき、大ヒットの要因こそ明確に分からずとも、”なぜ大ヒット作が生まれたか?”は解明できるはず。

エンタメ方面での活躍も、期待したいところだ。

 

複雑である物事は、実際には実に単純。

そんなことを述べる内容に対して思う印象、複雑な内容だな。

相反する意見は、それこそカオスなのかもしれない。

そこにまた単純性を見出し…。

メビウスの輪だけれど、その輪を逸脱させてくれる物こそ、

トーマス・クーンが言うところの「革命」なんだと思う。