book and bread mania

-日々読んだ本の書評 + メモ集 + パンについて-

烏有此譚

 

烏有此譚

烏有此譚

 

人は犬にはなれないのだから、犬の気持ちはわからない。

しかし、犬の気持ちをわかろうとすることはできる。

そこには、はたしてどれほどの齟齬があるのだろうか?

当然、それもわからない。

犬にはなれないのだから。

 

この小説はそう言った概念の限界を試す、思考実験的小説でもある。

 

端的に言えば、『穴』

 

自分が『穴』になったら、あなたは何を思い、何を感じるか?

そして、何を考えるか?

 

未知の世界を経験させてくれるのであって、

未知の体験をさせようとしてくる。

難解に思えるのは、それが理解できない物だからであり、

人間なのだから理解できないというのは当然。

 

故に、理解できたのだとすれば、そこであなたは『穴』になる。

 

そんな小説。

摩訶不思議ながらも、その不思議さが痛快ならずとも実に愉快。

読み応えあり。

個人的には好きな作品。

けれど、おすすめはできない。