内容としては箴言集、というよりメモ集といったほうが適切に思える。
色々と含蓄ある『言葉』が綴られているが、
なかでも印象的だった一節がこれ。
ソクラテスの対話を読むと、こんな気持におそわれる。
なんとおそるべき時間のむだ!
なにも証明せず、なにも明らかにしない、これらの議論は、なんの役にたつのか?
これには笑ったw
まさに「お前が言うな*1」だったのでは?というのは想像に難しくないw
けれど、こういった言葉であってもヴィトゲンシュタインの発言となると一種の説得感を持ちえて感じ、これこそ、いわば
「何を言うかではなく、誰が言うかが重要」
とした事象を如実に表していると思う。
それでも、こうした言葉の真意は決して伝わらない、とでもすれば、それは両義的にもこの綴られた『言葉』としてのメッセージを受け取れているのだとは感じるけど。
*1:前期の著書による、最後のどんでん返しを思えば当然である。