つい先日、ほんとうに今更ながらも
- 作者: アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2006/10/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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このとても有名な一冊を読んだ。
内容を簡単に要約してしまえば「他人を思いやるって大事」というこれだけのこと。
そして正直に言えば「どうせ、ありきたりな内容だろ」と多少なりとも斜に構えて一読したところ、実際には思いのか良かった!
その感想としては多々言いたい事があるのだけど、それは別の機会に。
この記事で言いたいのは、ふと思い気づいた事であり、そしてこのような道徳の大事を説く本に共通している”ずるさ”について。
「ずるさって何なのさ?」
としてその答えを最初に呈してしまえば、
「本書を悪く批判する事をさせない」
事に尽きる。
「えっ!普通にアマゾンのレビューなどでも否定的な批判コメントはあるけど…」
なんて思われようが、本書の概要を思い出してほしい。
それは「他人を思いやるって大事」ってこと。
つまり、本書を本当に読んだのならば「他人を思いやるって大事」を学び得た事になり、故に「本書を悪く批判する」という行為はすなわち、「他人を思いやるって大事」ということを実践できてないわけであり、本書はその内容をしっかりと「読み得た」とするのならば、その時点において本書への否定的な批判は内容と反してしまうのだ。
よって本書への否定的批判は同時に、本書をちゃんと読んでいない事を自己申告するに等しく、要は「内容を理解していない」ことを明言しているだけとなる。
だからこそ、実際アマゾンのレビューなどで「当たり前のことでがっかり」とか「期待したような内容じゃなく、単なる普通の事」なんて否定的な批判コメントある場合は、その読者は自らも言うその当たり前である「他人を思いやるって大事」をできてないわけで、「そんな当たり前とか普通とか言ってること自体できてないじゃん!」と突っ込みたくなる心境にも。
よって、本書はずるい。
というのはもとより、謙虚さを持って自分を俯瞰的に考えれば深読みせずとも「他人を思いやるって大事」ということを実践できているだろうか?の指標を得られるので、おそらく多くの読者が想像しているよりもずっと効用のある一冊。
こういう本はずるいけど、ずるい分、またその面白さがある。