book and bread mania

-中途半端なサウスポーによる日々読んだ本の記録 + 雑記 + パンについて-

ベッカライ デア オルト

静岡県焼津市

そこの名店と名高い『ベッカライ デア  オルト』へ訪問!

 

購入はベーコンエピ170円とレーズンブロート(1/2)220円。

 

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まずはベーコンエピから食べた。

 

…美味い。

 

思わずそう声が漏れた。

クラストは薄めでパリッとし、クラムはモッチモチ。

 

程よい噛み応えで、「これこれ、これぞでんぷん」と言ったもちもち感を存分に味わえる。

ベーコンは隅の隅から入っており、最初の一口からベーコンが口の中へ。

 

「クソったれな美味さだ」

アメリカ人もこう呟くような完成度。

ベーコンの旨み、それが良好といえるリーンなフランスパン生地と相性が悪いはずも無く、文句なしに美味い。

 

ベーコン・エピ。

フランス生地にベーコンが入っているだけのシンプルな一品。

しかしシンプルな分、質の高さが求められる。

その期待に充分応えてくれた一品でありハイクオリティ。

これはそこらのベーコン・エピとは一味違う。

美味いからだ。

  

生地を飲み込もうと噛み締める。

すると強制的にベーコンも噛み締める羽目になる。

またも同時に、ベーコンの旨みが強制的に口の中へと広がる。

強制ばかりされるが気分は悪くない。

美味いからだ。

 

美味い生地と美味いベーコンの組み合わせ。

美味くないはずがないっ!

 

胡椒が効いていてピリッとするのは喉の渇きを喚起し、

酒のつまみ等にもちょうど良いパン。

想像以上に完成度高く美味しいパンであった。

 

 

 

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 次はレーズンブロートのハーフカット。

 背の高くない四角調のこのパンは、持つと意外に重量感がある。

 

 

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中にはレーズンがたっぷり。

 

齧り付いてみると、生地は柔らかめ。

ふんわりしていて、ほのかに甘い。

 

そしてレーズン。

たっぷり入っているので、レーズンも生地と存分に味わえる。

 驚いたのは、ドライフルーツであるレーズン、干して凝縮されているものなので本来は甘みが強い物。

尖った甘さを感じるほどにだ。

 

しかしこのパンの中のレーズン、甘みが強過ぎない!

控えめであり上品な甘さ。

まるでラムレーズンのような風味だ。

レーズンの主張は強過ぎず、生地の味を殺さず引きたてる。

 しかしレーズンの存在感も存分にある。

 

レーズンたっぷりながらも主役になりきっていない、ちゃんと生地の存在も感じさせてくれる。

まさに性格の良いレーズン。

例えるならこのレーズン、気に入らない事にはすぐ馬事雑言を吐くようなクソったれなワンマン社長ではなく、気配りでき社員全員に優しい社長、そんな存在だ。このレーズン。

 

こういったレーズンパン、昔からあるシンプルなパンだが、これも他とは一味違う。

全体にある上品な甘みにより味わい深く、ふわっとした生地ながらも噛み締めれば噛み締めるほどに麦のほんのりした甘みが出てきて美味しい。

 

甘ったるくて噛み締めるのがしんどく、どんどん飲み込んでいってしまう、そんな現象がない。

よくある安いレーズンパンとは違うのだ。

 

これもそこらのレーズンパンとは違った美味さがある!

 

 

ベッカライ デア オルト、今回のパンのみでも評判の良さが良く分かる。

 

シンプルなパンにしっかり他のパン屋との違いを示すそのクオリティ、確かに凄い。

値段は普通のパン屋さんより少し高めだが、十分過ぎるほど値段に見合った品質。

良いパン屋さんだ。