女と男 ~最新科学が解き明かす「性」の謎~
- 作者: NHKスペシャル取材班
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/01/25
- メディア: 文庫
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『一目惚れ』は侮れない!
この本は、
男性が女性に惹かれるポイント、
女性が男性に惹かれるポイント、
について、実験結果を交えて解説してくれる。
男女では問題を解く際、活発的になる脳の部位が異なるという実験結果は興味深い。
あと「女性は地図が読めない」というのも古くからの「あるある」だが、それは単に“男女で地図の読み方が違う”という実験結果は少し意外で、この事はより一般に知れ渡ってもいい事では?と思えた。
地図の表記の仕方によっては、”女性は男性以上に地図を読める”とのことだから。
人が恋に落ちるメカニズムについての記述も興味深い。人が恋に落ちると反応する脳の部位は“腹側被蓋野”と“尾状核”であり、これは古来に発達した脳の部位。
だから恋とは、知的というより原始的、衝動的な行動といえそうだ。
そして恋に落ちると“”ドーパミンが出続ける状態になり、それでハイに感じる。
まさに恋は人が人に及ぼす“麻薬”だ!
これを読めば男女間による意識の差異。
その溝が縮まるのは確かで、おすすめ!
人間の恋も、大部分は脳、ホルモン、遺伝子に支配され支配されている。
それを知る事ができる。
しかしいまだ恋のメカニズムには分かっていない事も多く、だからこそ良いのかもしれないけれど。
海外の実験結果では、男性が女性を選ぶ際、気にするのが『ルックス』という答えが大半だったのに対し、女性の場合は『匂い』だったというのは少し意外。
その上で、
男性が女性を選定する際、“腰のくびれ”を見て決めている、という科学的エビテンスは興味深く、納得がいった。
そして、夫婦関係について研究している教授が述べる
“理想的な夫婦関係”とは“良好な友人関係”とのこと。
男という姓を決める“Y色遺伝子”、それが消滅しつつあるという見解は衝撃的であり、また同時に面白くもあり興味深い。
プレイリーボールという品種のねずみは、一夫一妻のスタンスを取り、ねずみの中でも珍しく、とても家庭を大事にするねずみだという。
この“家庭を大事にさせる遺伝子”を追求すれば、浮気症の男を改善される事ができるかもしれない。
何よりこのねずみのことを想像すると実に微笑ましい、マイホームねずみだ。
本書には、離婚危機にある夫婦の会話における問題も指摘しており、男女間の意思疎通における失敗、要は口ケンカの解消法も教えてくれる。
その教授が述べていた「経験則でなく、科学的論拠のある、しっかりとした男女の違いを教わり、学ぶことが大切」といった趣旨のことが印象的。
まさしくそうだと思うと同時に、男女間の喧嘩では原始的な違いによる争いが多いな、と思う。男女間の溝は実に複雑なように見えて、実際はそこまで深くもない。
各自の勝手な意識が複雑そうに見せているのだと思う。
人間を支配する感情というシステムは、元をたどれば単純であったりする。
それでも完全に操れないのだから人間は未熟だが、それだからこそ未曾有湯の自体に対応が出来、面白いのだと思う。
エラーから進化は起きる、のかもしれないのだから。
あととても大事な事は、『性欲』と『恋欲』は違うということッ!
この本を読み、それを知った。