特別予定も用事もないので家でゴロゴロ過ごす。
これがとても贅沢なのだと気付いたのは大人になってから。
そんなわけで、GWは贅沢に過ごす事に。
部屋に篭ってゲーム。
とても久しい感覚。きっかけは実に偶然で、たまたまネットで”EVE Burst error R”なるゲームの発売を見たことがきっかけ。
このゲーム、名前は以前にも聞いたことがあり、それで詳細を見てリメイクだと知る。元々はセガサターン!
PS2でもリメイクが出ていると知り、しかしレビューを調べると意外にこの旧作サターン版の評判が良い。
過去にシュタゲに大いにハマリ、それ以降にはアドベンチャーに興味が沸いていたので、この作品の評判のよさを知り、途端に気になった。さらにちょうど、レトロゲームも売っているお店でこのソフトを安価で見つけたことも大きい。
購入。積みゲー。しかし積んでおく期間は短く、このGWにて手を付けることに。
引っ張り出して久々にスイッチを入れたセガサターン。何とか起動はしたが、メモリーがぶっ壊れているという鬼畜仕様!
しかし、問題ない。セーブが消えるのは電源を落とすとであり、つまりは点けっぱなしならば問題ない!
それで電源を途中で落とせないデットレース、死亡遊戯が始まった!
体力と眠気との格闘を繰り広げながらも、ぶっ通し。
…そうして何とかクリアまで辿り着く。二日は掛かったけど。
それで感想。
「とても面白いよ!おすすめ!」といった評判をたくさん見ていたのでまあ期待してプレイしたのだけど…
やはりシナリオには古臭さを感じた事は否めない。そしてシナリオはびっちりと細部にまで練りこまれていることも無く、矛盾ありの伏線回収しきれてなしで消化不良に感じるところも。
けどシナリオの厳密さに関しては、設定が12月にも関わらず登場人物がいやに薄着である時点で、察して欲しいところだったのかもしれない。
それでも作品としては、みんな同じ顔問題が在るけれど、シナリオにしても登場人物にしても十分魅力的だったと思う。
特に弥生さんは魅力的で、この時代にツンデレ!?と思えるほどの立派なキャラ。次代を先取りしたキャラであったと思う。
あとは二人のキャラクターの視点を交互に行き来して物語を進める手法は当時かなり斬新だったんでは?と思わせる。
さらに個人的に良いなと思った点としては、昨今では選択肢が多過ぎて目が回るアドベンチャーが多い中、このゲームはほぼ一本道。故に迷うことが無く、快適そして順調に進められたのはとても良い点に思えた。
「あの選択肢にしていたら、どうなってた?」と細かいものまで一個一個選んでいけるタイプだと神経質になり、さらになかなか進まず煩わしい。さらにそうして選んだのがメインかと思って進めたら、実は蛇足で関係なかったりすると目も当てられない。こういった煩わしさが無いのは良い意味で大きかった。
最後のほうでは予想外の大爆笑。
アドベンチャーをはじめ、最後までが長いゲームをぶっと通しでやってエンディングにたどり着いたときの妙なハイテンションのせいもあるだろう。だけど執事に対して「執事…」と呼んだことには本当に腹を抱えて笑った。
あと意外や意外だったのは、このゲームはセガサターンながら18禁。というかセガサターンということもあり、当然エロ要素ゆえの18禁かと思っていた。
けれど想像と違ってエロの要素は薄く、肩透かしを食らった心地。というか、正直18禁ということでこういったジャンルのそれもアドベンチャーというジャンルを拒否していた感が過去にはあったので、今回これをプレイしてみてその概念が覆されまさに目から鱗。百聞は一見しかずともいえるかもれないが、とにかくエロ重視と偏見の目を持っていたがしっかりアドベンチャーで思いのほかまじめな内容。
しかし全体的には評価の良さほどの感動はせず。
そこでハッと気付いたのは、この”18禁”表示、「18歳以下はプレイしてはダメ!」という意味での表示だけど、「18歳以上はプレイしてはダメ!」という意味も含有しているのでは?思えた事。
シナリオは悪くないが感動もせずそこまで感銘を受けなかったのは、自分が年を取ったからだと思う。
ここで言いたいのは「年を取ると感受性が薄くなるから…」といった野暮な事ではなく、そもそも、感受性なるものは年とともに劣化するものでなく、むしろ磨かれていくもの。
けれども今回このゲームであまり感動しなかった。
突き詰めるとその理由は単純で「ふーん、よくある話じゃん」と思えてしまった点にある。
要するに、年を取るとそれだけ多くの作品に触れてきた事により、当然うんちくの量も物語の展開についての知識も蓄積される。そんな折にプレイしたのが最大の原因で、つまりはこの作品を10代でプレイしていれば感動していたと思う。
一般に昔に比べ、感動しなかったり感銘を受けなくなるのは、薄情になったのでもなく冷淡になったのでもなく、ただ単にあらゆるエンタメ作品に対する含蓄が構築された結果によるもので、エンタメ作品に対する免疫が作られてしまっているためだと思う。
免疫在るからこそ既に体験した感動には余り反応せず、「あっ、この展開」と納得してしまう。
なのでこの作品、18禁なのは、18歳未満はプレイ不可の意味と共に、ある程度以上年齢が上だと感動できませんよ。の注意書きにも思えた。
余り感動できず「へぇ~」という心地でエンディングを見終えたのだけど、このストーリーの真相知った時よりも、感動しない自分の謎が解けた時の方が、スッキリしたのは皮肉。
このゲーム、個人的にはそれほど感動しなかったものの、面白い事には間違いないので、興味ある人はやってみて損はないと思う。