むぎん子畑
三島にあるパン屋さん『むぎん子畑』に行ってきた。
買ったパンは三個。
まずフラめんちぃ1個170円。
フランス生地+明太子マヨ+チーズでこの名前。
サイズ的にはあまり大きくなく、全長は10cmほど。
食べてみると、表面の明太子マヨは厚みがある程の量で想像以上にボリューミィ。
味はピリ辛な明太の味で、けっこうな油脂感。シンプルなフランス生地との相性は普通に良い。1/3ほど食べたところでチーズが顔を表し、チーズ自体はクリームチーズのような味わい。
明太子マヨとクリームチーズの相性はよく、明太子ピリ辛をクリームチーズのまろやかさが中和。チーズの量はそれほどないが、明太子マヨはたっぷりで、リーンな生地ながらも味は随分と濃厚に。
故に生地自体の味は分からないものの、食感的には硬めでしっかり噛み応え在り。
見た目の小ささから感じさせるボリュームのなさは、この噛み応えでカバー。
味としては濃厚明太子マヨ。これに尽きる一品。けっこう辛さが効いていて、なかなか美味しかった。値段的にも味・ボリューム的にも普遍的な一品。
けれど他のパン屋で明太フランスと言えば大抵200円越えなので、安いほうなのかもしれない。外れのない味で、まあま美味しかった。
次に食べたのはノアレザン。1個280円と少し高めの値段。
こちらもサイズ的にはあまり大きくない。けれどフラめんちぃよりは2cmほど大きい。
そしてこちらのパンは天然酵母を使用とのこと。
食べてみると、生地はぎゅっと詰まっていて、噛み応え在り。
生地内部の気泡は食パンの如く細かいものと、バターロールにあるような少し大きいもの(1cmほどの気泡)もあり、均一でない気泡が天然酵母を思わせる。
生地の味はほんの少し甘みを感じる程度であまり特徴はなく、特徴は生地の食感の方にあり。とても引きが強く、噛み応え在りのモチモチ感。
レーズンは見た目どおり表面側にけっこう入っており、胡桃は中に練り込まれていた。食べ進めるとレーズンは生地の中央にも入っていて、なかなかの量。
さらに食べ進めると内部の奥には胡桃が密集して入っており、胡桃の量は思ったより多い。レーズン+胡桃の相性はもちろん良しで、シンプルながら飽きの来ない味。
こちらのパンも、見た目の大きさから思わせるボリュームのなさとは裏腹に、しっかり食べ応えと噛み応えある生地により満腹感は高め。味としては、ほのかな 甘みある生地と自然の甘み強いレーズンの味が絡まった風味が主で、まあまあ美味しい。すげぇ!ウメエエ!とまではいかないものの普遍的な美味さがあり悪くない一品。丁寧に作ってある。そう思える一品だった。シンプルに美味い。
天然酵母パンでレーズン胡桃入りなので、この値段は妥当か。
いや、ブランドのパン屋(ドンクなど)、都市部のパン屋ならば、この1.5倍ほどの値段になっていてもおかしくないと思える出来。
だから、なかなかCP良い一品であると思う。
最後は塩ぱん。1個100円とリーズナブル。
全長は9cmほどで、表面中央に穴在り。
持った感触ではフランス生地ほどの硬さは感じないもののバターロールなどの菓子パン生地よりは少し硬く感じ、ソフトフランスように思える。
食べてみると、生地をかじってすぐにフィリングが現れることはなく、まずは生地のみを味わった。その生地としては…味、思いのはか甘く、塩気も少々感じる。見た目、気泡は均一に細かく食パンのよう。食感、柔らかくて引きが弱く、ふわふわではないにしろ、すぐに噛み切れ唾液で容易に溶ける。
ごく一般的なバターロールもしくは菓子パンのような生地。
もしくは昔懐かしい何も具が入っていないシンプルなコッペパン。けれどこの場合、甘みは強く、パサつく柔らかさではないので、少しリッチなコッペパンといった印象。油脂多めなのかもしれない。
食べ進めると大方の予想通りに表面中央にある穴の下部にフィリングが。
味としては予想外に少し複雑。
しかし確実にバターではなく、甘みが強めでクリームっぽい。けれどカスタードらしさはなく、マーガリンもしくはバターに砂糖を混ぜた物、といった味の印象。不味くはないにしろチープな味わいで、家庭の味、という印象の味。これが生地の中央にはまあまあ入っていて、従来の塩パンとは似てもにつかない味。
たとえ本元の塩パンが特許を取って真似しているパン屋を一挙に訴え始めても、ここの塩パンは問題なく逃れられそう。そんな塩パン。値段相応のクオリティ。ボリューム多くないが、おやつなどには良さそう。
パンを学校に卸しているところが作りそうな、昔ながら甘く柔らかいシンプルなパン、という印象で食べ終えた。
ここのパン屋さん『むぎん子畑』は、昼過ぎに行ったにも関わらず客が次々に来たのが印象にあり、けっこう人気のあるパン屋だった模様。
パン自体としては、シンプルな味わいで気取ってなく、町に愛され生活に密着したパン屋さんに思えた。