8月に読んだ本からのおすすめトップ10
8月に読み終えた本は38冊。
その中からおすすめの10冊を紹介!
第10位
『コマ大数学科特別集中講座』
- 作者: ビートたけし,竹内薫
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2006/12/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ビートたけしが如何に数学人であるのか?知ることの出来る一冊。
その意外な素顔に驚かされると同時に、これほどまで数学を意識して映画を作っているのか!?と驚愕。
内容としては、そうしたビートたけし独自の数学論を対談式に記述するもので、その数学的思考は興味深く、映画つくりにおいても数字の摩訶不思議さを巧みに利用する姿には思わず魅了されるはず。
そして本書は同名の番組を書籍化した物らしく、番組で実際に出された問題も綴られている。ちなみに、それら問題はどれもが数式を用いるパズル的な問題であり、脳トレの様であり愉快。
あと数学にまつわる小話なども載せてあり、ケプラー氏は女性の魅力度を測る数式も考案し、その数式を用いて高得点とした女性と結婚。
しかし晩年に測ると、その女性の魅力値は最低だった、というエピソードには思わず笑った。
第9位
『僕には数字が風景に見える』
僕には数字が風景に見える - book and bread mania
脳の可能性を感じさせる一冊。
ある意味、SF的であり、ロマンすら感じさせる内容。
しかし親子の愛を感じさせる伝記でもあった。
第8位
『ぴよぴよ 水上悟志短編集 vol.2』
ぴよぴよ 水上悟志短編集 vol.2 (ヤングキングコミックス)
- 作者: 水上悟志
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2014/08/23
- メディア: Kindle版
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ぴよぴよ 水上悟志短編集 vol.2 - book and bread mania
週間ストーリーランドのような小気味よさ!
読み応えある短編集は数あれど、締め方よい短編集とはそうそうない。
故に、本書は稀少に属する部類の短編集。
第7位
『数の悪魔―算数・数学が楽しくなる12夜』
- 作者: ハンス・マグヌスエンツェンスベルガー,丘沢静也
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 2000/04/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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算数・数学の本として評判の良い本書。
児童向けとは言え、老若男女が楽しめる内容。
内容は簡易的かつ分かり易い。
しかしそれでいながら算数、数学の摩訶不思議さを感じ取らせる内容で、結構楽しめた。
内容としては、パスカルの定義についてや、三角形の法則、点×面積-線=1になること(立方体の場合は点×面積-線=2)などが小話のような物語と共に述べられおり、数字の不思議さを存分に味わえる。
絵本的な構成ながらも数の不可思議さに触れられる良書。
また、こうした数の”不思議さ”を表す表現として“悪魔”という単語を使用しているのも興味深く、人は理不尽かつ人知の及ばぬ不可解な現象に対しては天使でなく悪魔を用いるのだろうか?とつい思う。
第6位
『ツチヤ教授の哲学講義―哲学で何がわかるか?』
これまでの哲学史について、ざっくりと解説する内容。
ざっくり取り扱うので深い部分までは分からないものの、有名な哲学については大まかに解説。よってその概要的には理解し易かった。
ウィトゲンシュタインの“言語ゲーム”についての例え話などは分かり易く、その滑稽さに笑いそうになったほど。
あとはデカルトの残した有名な言葉「われ思う、故にわれあり」のこと細かい意味もようやく知り、その理解の一編を担ってくれた内容。
”懐疑方法論“やフッサールの提唱した”現象論“についても多少知ることは出来る内容で、多少なりとも勉強に。
しかし、浅く解説としながらも著書の独自な意見が顕著に出現。そのように感じ、これのみを読んでその言葉を鵜呑みにすれば、それはデカルトやフッサールの哲学でなく、著者の哲学を受理する事に成りそうな内容。故に多少偏りあるよう思えたのは事実で、特に言語規則として捉える気質が強いよう感じた。
終盤は主にウィドケンシュタインの哲学について取り上げ、ウィドゲンシュタインが出した哲学への答えが「哲学は問題を解決できる物でない」と結論付けしたのが印象的。その後に続く「哲学は問題を解決させるのではなく、解消させるためにある」と説くのは秀逸に思えた。また最後の結論として挙げていた中には「形而上学による問題定義は結局のところ、言語的誤解によるものだ」としていたのも、やはり印象的。
本書は随分と広く浅くと哲学について取り上げた内容ということだけあり、広くし過ぎたため解説が追いついてないとも言える。それで最後の方では説明不足で終わっていた。
故にタイトル通り、哲学の入門書としては良書に思えながらも、解説に一歩踏み込んだ姿勢がなく、読後感は少々消化不良気味。よりよく哲学の勉強にはなったけれど、同時に物足りなさも感じた一冊。
第5位
『学問のすすめ 現代語訳』
記事に書いた一冊。
『学問のすすめ』は老若男女、一読して損のない内容。 - book and bread mania
鋭利な言葉の数々は現代語として復元しても、その鋭さを衰えさせず。
辛辣な言葉は尻に鞭打ち、人を人たらしめる。
惰性、無意識に過ごす日々に対する警告を鳴らし、高みを目指せと発破をかける。
そんな内容。
第4位
『読書の死と再生』
記事にした本。
読書の死と再生 - book and bread mania
本書は何より、あとがきが読み応えあり!
本と真摯に向き合い、読書に人生を捧げたその姿勢には感嘆と感服。
狂人的な世捨て人的な読書生活の中、見出し綴られた言葉の群は、それだけでも何か妖艶な魅力を感じ、その生き様には驚愕しながらも尊敬の目を向けようと思える。
第3位
『馬鹿について―人間-この愚かなるもの』
- 作者: ホルスト・ガイヤー,満田久敏,泰井俊三
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 1958/12/10
- メディア: 単行本
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魅力的なタイトルに惹かれて手に取った一冊。
期待通り、啓蒙溢れる書物であった。
この本を読むと、成る程、人間なるものは結局その思考には限界があり、神の存在を証明できぬように、その逆もまた然り。故に人は宗教を作り、心のよりどころを作る。
等と思う。
その思想も宗教も歴史を見れば繰り返しであり、結局はアリストテレスの現実主義、プラトンの理想主義、そして神秘主義の三つに大きく分類されるのだと歴史が証明し、浅はかさであることが人間の英知であり特徴。
読むと人が馬鹿であるのは仕方がなく、賢者は己の馬鹿を知りそれを包み込むのだとさえ思えてくる。
また、真の宗教家、賢者は宗教を必要とせず、自身の足で歩く。という言葉は妙に印象に残りそして尊く聞こえた。
他にも各著名人による辛辣な言葉、真理を突くような言葉がいくつも挙げられており、ショーンペンハウエルの「法律とは抑止力以上のなにものでもない」などのようなことを言ってたのが印象的。
この本では、馬鹿についての他には後半、著者の医者として感じた政府の阿呆な政策、対応についても愚痴のように述べられており、しかしその内容、読むと確かに精神疾患患者に対する誤謬とも思える法律規定は滑稽であり無意味と思う他なかった。
あとは序盤の強烈な馬鹿批判はもはや痛快であり、馬鹿を白痴扱いするところなどにはユーモアのセンスすら感じたほど。序盤楽しく、後半より真面目、といった印象。
そして人間の知恵、英知と宗教は切っても切り離せぬものなのだと宗教の歴史を綴って気付かせ、また共産主義への批判、現実不可能としての表現“ユートピア”など、世界情勢の滑稽さ、馬鹿についての取り上げは痛快。ユニークで示唆深い本であり、啓蒙的な書。
人はみな馬鹿だが、馬鹿を隠したがる。
その理由の一端は知れる本書は、なかなか刺激的。けれど一読のみですべての意図を読むのは至難の業。それぐらいには深さのある内容だった。
しかし最終的な結論が「愚鈍最高!」とするのは少々以外で、けれど愚鈍こそが最も力を持つ、としたのが印象深く、しかしその意見にも納得。印象的な言葉多し。人間の滑稽さを称える内容であったと思う。
第2位
『読書について』
- 作者: ショウペンハウエル,Arthur Schopenhauer,斎藤忍随
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1983/07
- メディア: 文庫
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ほぼ同率で1位。
それほどに良い本であり、感銘を受けた本。
「本を買っても、その本を読む時間は買えない」
とは単純な言葉ながらも、その際立つ美しさは真理だからと思わせるが故。心に響き、そしてその後に続く辛辣な駄書批判には思わず笑ってしまいそうになるほどの辛辣さ。
特に匿名を用いて批判を繰り返す輩に対しての罵詈雑言、それが目立つ内容。だからショーペンパウエル氏は煽られ弱いのでは?と思わせるほど。
もし彼が現代に生きていたら「”2ちゃん書き込み”にマジギレしてただろうな…」と思わずには居れないほどであり、匿名者による批判を貶し、匿名者どもを卑怯者呼ばわりして罵倒する姿は大袈裟で少し笑ってしまった。
そして重要なのは、何十年も前に書かれた本書のこの内容が、今現在においても全く同様のことが違和感なく通じ、さらに昨今において十分真理を付いているといえる点!
この内容は、この本自体が主張する「古典を読め!」という事を自らで証明しているようにさえ思えた!
また、駄文や駄書を生み出す諸々の作家批判も痛快でユーモア感じるほど辛辣。
印象深い言葉も主張も多く、読んで良かった、出会えてよかった、と思える一冊。
迷う事無く”スゴ本!”と人へ評せる一冊であり、まごうことなき名書!
理想的な異性に出会うのが難しいように、個人にとって理想的な本に出会うのは難しい。しかし、この本は多くの人にとっての”理想的な本”、その一冊に入っているのではないか?と思えたほどの一冊。
第1位
『幸福論(第1部)』
記事にもした一冊。
「”幸せ”とは何か?どうすれば手に入るのか?」
人類史に基づき示す答えは真理であり、けれど驚くほどにそれはシンプル。
各々に盲目を気付かせてくれる一冊であると共に、幸せを掴むための方法、勇気の必要性を教えれくれる、まさに人生の教科書。
わたしは弱い時にこそ強い
上記の言葉のように生きろと説き、言葉の真意を知れば納得。
このように生きるべき、と思うだろう。