今期に放送していたアニメ「魔法少女育成計画」が想像していたよりも、面白かった。
しかし如何せん、回想が多過ぎてテンポ悪い。
なにこれ?ワンピース狂が作った作品?
と思わんばかりに、各キャラクターの過去を描いては、じれったい。
元気の押し売り、なるあだ名が某芸能人にあったけれど、この作品はまさに”感動の押し売り”といって適切な内容。
そういった意味では「こうすれば、感動するでしょ?」と上から目線。
見下されているようであり、同時に「これが感動のテンプレだ!」と皮肉めいたメッセージも感じては、メタファーに富む作品。
何処かで見たような展開、能力ばかりで、これは筒井康隆が書いたラノベの如く、皮肉兼メタファー的作品なのかとふと思う。
そういった視線で見れば印象も若干異なり、こちらの楽しみ方が本当?とさえ思える展開。
この作品に関しては、「稚拙なストーリー」なる言葉は一種の褒め言葉。
すれば暗喩とした作品も貶す事に成って、せせら笑いそう。
昨今に蔓延するやっすい感動。そのテンプレを凝縮したような作品。
安い感動が味わいたい人や、ある種のメタファー、つまりこれが昨今における主流の「感動系」。そうしたものを一目してみたいと思う際には、役立つはず。
サンドウィッチマンの人が、「カステラぎゅーっと潰せばカロリーゼロ」なんて名言を言ったけれど、まさにこの作品もギューっといろんな箇所からのアイデアを凝縮しきったかのような作品。
一件、濃厚な物語に見えるけど、実はすっかすか。
けれど実際にはカロリーあって、しかしそれはジャンクなエネルギーと言うところも一緒で、まさに潰したカステラのような作品だった。
もしくは、「果汁20パーセントのオレンジジュース」のような作品。
味が薄くて物足りないながらも、一応は美味しい。