韮山で毎年、行われているパンのイベント。
それが”パンの祖の祭り”!
日本で初めてパンを作ったとされるのが、
その業績を讃え、
所縁であるこの地において行われるパンの一大イベント!
会場は韮山駅に隣接する施設内。
パンの即売会も行われ、出品は東京からの有名店も!
店舗の数こそ、そこまで多くないものの、東京からは『ルヴァン』などがパンを出していたのが印象的。それらの販売は生徒さんで、あとは『ベーカリー&テーブル 東府や』というお店は大々的に出店していて、店の人が販売を行い、そして行列を作っていたのが印象的。
祭りでは、パン食いゲーム、パン当てゲームと企画も充実しており、
中でも最大の目玉は、”全国高校生パンコンテスト”!
その模様を拝見してきた。
端的に言って、高校生のパンはどれもがアイデアに優れ、
展示されるその出来栄えを見ては「凄いな!」と思うことが多々。
言葉通り「甲乙つけ難い」逸品ばかりであり、
見た目の良さも然ることながら、内層の美しさもなかなか。
素材と生地のコントラストが素晴らしかった!
あとはこの選手権において少し印象的なのは、男女比率で、圧倒的女子感。
女子が大半で、男子の数はごく僅か。
同時に、審査員に女性が一人も居なかったという事実をあわせると、より印象的。
高校生パンコンテストに話を戻すと、本当にどのパンも良い出来で、アイデアも秀逸。
形と色合いに、特に力が入っているように感じた。
色合い鮮やかなパンが豊富であり、ツォップの様な編み目状の成形は見事。
バゲット基調のパンも綺麗な焼成具合で、レベルの高さを窺わせた。
他にも素材同士の意外な組み合わせなど、所々に工夫が見られ、
「日本のパン業界の未来は明るいな!」
そう思わせてくれるイベントであった!!
あと、後日談のような雑記。
伊豆という、この界隈に来たのは初めてであり、顕著な田舎具合が妙に新鮮。
帰りには、用事で一駅となりにある ”原木駅” に降りると無人駅で改札もなし。
煙草入れのような容器に、ここに切符を入れてください、とあって、改札もなく人も居ないので少し驚く。
その後、用事を済ませると日は暮れて夜になりながらも原木駅に戻り、無人の駅でひとり電車を待つので、ふと空を見る。
辺りは閑散とした田畑で、眩い光に乏しく、そうして見上げるその夜空。
ステレオタイプ的発想ならば、期待するのは
「星空が眼前いっぱいに広がっていた!」
となるだろうけれど、実際に目に入った光景。
それは、曇り模様である空に一切の星は見えず、ただ濁ったような暗やみばかりが空を覆っていた。
しかしそれはどこか、田舎というイメージに対する齟齬のようなものに感じて、寧ろユニークで面白い。
「星空を見せない田舎に何の価値がある?」
等と、田舎を描く作品に対しての反骨精神のようであり、
田舎の夜空は星空ならぬ、アンチテーゼを空模様として一面に見せてくれた。