10月に読んだ本からおすすめ10冊を紹介。
その中からおすすめの10冊を簡潔に紹介。
年越し前に清算しようと簡潔にまとめ、後に更新するかも。
第10位
『日本SF短篇50 I (日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー)』
第9位
『日本SF短篇50 IV 1993-2002―日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー』
第8位
『自分の中に毒を持て』
第7位
第6位
第5位
『数学の出番です。―つい人に伝えたくなる数学のハナシ』
第4位
『物理の教室 (ペレリマンの科学の家)』
第3位
『SFアニメで学ぶ船と海』
個人的にもっと評価されていいと思えた一冊。
本書を読めば海に対する興味が深まるのはもちろんのこと、水中で起こる現象について実にわかりやすく解説してくれるのでスクリューによって出来る対流について等、知ることが出来る。
これは知的好奇心を刺激し楽しませてくれる良書で、老若男女にお勧めできる本。
第2位
『一射絶命―禅、弓道、そして日々の行』
禅と弓道、これら二つの存在に関する考察。その実体験と、自らの成長記録を交えて語る内容であり思いのほか興味深く思えた内容。
また弓道についてでは一射の方法がこと細かく解説されていて読み応えあり。
さらに弓道ではその弓の放し方として「葉の隅に溜まった水が落ちるように、自然と手を離すようになる」のがベストとしてたのがとても印象的。
禅と弓道の体験記ながらそこから得た著者の知見とは、この二つのみではなく生活全般に応用できる生活の知恵。それは精神的なものであり、本書を読むことの有意義性とはそこにあるよう感じられた。
第1位
『道徳の系譜』
自己欺瞞への告発書。
正直、内容としては「言語の由来と、そこから読み解くルサンチンマンの原理か」と思いつつ読み進めると少し意外。というのも、なるほど主張する意見としては一辺倒的だが、それでもこうも感慨深さを感じ得るように思えたのは流暢な文章の賜物。
その柔らかくも内心に染み込んでくる表現の仕方は特徴的。親しみさを感じられながらも強烈で、己の思いを忌憚なく主張しているよう感じられた。
さらには「人間の本質とは他人の苦痛を悦とする」といった過激な主張も。
「他人が苦悩するのをみるのは楽しいことである。他人に苦悩を与えるのはさらに楽しいことである」といったような本文中にあるこうした主張はなかなか衝撃的。このような性分が人間の本姓ならば、人の不幸を嘆き他人の苦悩を一緒に苦悩できる人間こそがイレギュラーに思えてくるほどである。しかしなるほど、思えばゼウスなどが登場する神話においても神々は人の不幸を見て楽しんでいるようではあり、さらに「万能な神ならば未来視も出来るはず」という指摘は尤もで、古来からの神の万能性を唱える主張の矛盾点をこうも簡単に見つけ指摘するので驚かされる。
本書は各々が持ち得る隠された性分を明るみに出し、見せ付けてくる内容であり自省にもなりさらなる人間理解にも通じる一冊。