book and bread mania

-中途半端なサウスポーによる日々読んだ本の記録 + 雑記 + パンについて-

アニメ『慎重勇者』が素晴らしく、語るに値する作品だった件。

今年に関していえば、新年早々から啓発される作品が多くて自分でもびっくり!

面白っ!と思える本もさることながら、アニメにおいてもこれはなかなか乙な作品だなと思えるものもあって、それがこの記事タイトルの作品。

 

この作品は2019年の秋アニメであり、正確には

 

『慎重勇者 ~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~』

 

という何とも冗長しさを感じさせるタイトルのもの。 

 

 

これがどのように素晴らしいのか?

無論、なにも考えずに見てもなかなか面白いことには間違いなく、けれど

「じゃあ近年稀に見るほどの名作なの?」

と訊かれればおそらく

「うーん、それほどの作品じゃないかな、小まとまり良く出来た佳作といった感じ」

そう答えると思う。

 

じゃあどうして素晴らしくて、語るに値するのか?

それはこの作品が、昨今稀に見るほどに「物語していた」から。

 

どういうことか説明する前に、まず作品のあらすじを。

 

 超ハードモードな世界の救済を担当することになった女神リスタ。
チート級ステータスを持つ勇者・聖哉の召喚に成功したが、彼はありえないほど慎重で......?
「鎧を三つ貰おう。着る用。スぺア。そしてスペアが無くなった時のスペアだ」
異常なまでのストック確保だけに留まらず、レベルMAXになるまで自室に篭もり筋トレをし、スライム相手にも全力で挑むほど用心深かった!
そんな勇者と彼に振り回されまくる女神の異世界救済劇、はじまる!

 

ご覧の通り主人公の勇者は病的なまでの慎重さを抱いており、そうした常識はずれの嗜好を通して見せる行動はコメディタッチで、この時点では衝撃的というより笑劇的といった作品。

構成としては全12話から成り、終盤では

 

 

 

ここから先はネタばれのため、視聴済みの方のみ推奨。

 

 

 

そう、見た方にとってはもうご存知のとおり、この作品は11話目においてその作品自体の風体をがらっと変える。

主人公勇者のおかしな嗜好である「過度な慎重さ」、それは実は過去の失敗が元であり、元々はむしろ慎重さを省みない性格であったことが示される。

 

そのとき、主人公の本心を知って裏切られた視聴者がぶわっと沸き立たせるのは鳥肌ではなく、実は親近感なのである。

 

ニーチェ風にいえば、まさにパースペクティブの変換。

それは見る側であった我々が、一挙にその内側へと吸い込まれることを意味する!

 

つまり、ここでの価値の転用こそが本作品最大の見所であり、フィクションなる虚構の作品において生じる外壁の障害を一挙に取り払う。

我々はフィクションなる作品に対峙する時、たとえば登場人物の一人がとても奇天烈で不思議ちゃんであろうとも「これはフィクションなのだから」としてその存在意義を認める。

そこでは自らを一歩引かせて対象を眺め、自らの価値観、一般常識的な見方と照らし合わせることによって作中の彼らとの距離を保とうとする。

 

このアニメ「慎重勇者」の場合においては、まさにこの「過度な慎重さ」こそが、我々と作品のフィクション性との垣根を作り役割を果たしており、主人公における「過度な慎重さ」とは一見して理不尽なものである。

だがそうした理不尽さを視聴者側は「これはフィクションなのだから在り得る」として、この存在性を許容する。

こうして引かれた一線は彼らと作品との存在性の絶対的な乖離を示し、理不尽なる状況における合理的解釈こそが「作品としてのフィクション性」に他ならない。

 

繰り返すようだが11話における急展開。

そこでは「主人公が如何して過度に慎重なのか?」その理由が明かされる。

重要なのはこの点で、その理由を知ったことにより視聴者はかの主人公、

彼が慎重過ぎる理由が実際には現実的であり合理的であったことに衝撃を受ける。

するとそこで、これまで理不尽なる存在に対しての合理的解釈であった、

「作品としてのフィクション性」

という認識が瓦解し、同時にそれは「フィクション性」を一時にも忘れさせる。

何故なら「フィクションだから在り得る」非合理的性が、合理的理由を示すことによって現実での存在性を得るからである。

そうして現実での可能性を感じさせると(それは思考の形としても)親近感を沸かせ、だからこそ先ほど述べたように、主人公の本心を知って裏切られた視聴者がぶわっと沸き立たせるのは鳥肌ではなく実は親近感なのである。

 

 

このメタフィジックス的ともいえる心的距離の縮まりを感じさせる仕掛けこそが本作品における素晴らしい点であり、何事にも意味を見出そうとする人間知性における「物語性」、それを満足させるに値する演出とストーリー、これこそ本作品が語るに値する最大の理由なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、ここまで大絶賛しておきながら、フィクション作品においては非現実性・非合理性なる存在を示してそれを覆す展開、非現実性・非合理性のうちに現実性・合理性を見せることによって受け手の感じ方を大いに変容させる作品というのは実際には数多存在する。

そういった意味では、昨今読んだアメコミ『バットマン:キリングジョーク』も同じ部類であると言え、こちらの作品もとても素晴らしかったので出来れば近いうちにはこのレビューも上げようかと。

 

おみくじの別の楽しみ方

新年になり無事に初詣にも行って来ました。
そこで今年もおみくじを。

おみくじと言えば、当然気になるのはその内容。
良いことやら悪いこと。
今年がどんな一年になるのかと、警鐘箴言めいたものから各々つづられていては「へー」と感心しきりなもの。

そんな折、ふと気になったこと。

「でも、このおみくじの内容って当たってるのかな?」等という根本的かつなんとも罰当たりなこと。でも毎年、年始めにおみくじ引いても数週間と過ぎればその内容を忘れがち。

なので今回、密かに実験しようかと思う。
実験内容は至ってシンプル。

「果たしておみくじの内容は正しいのか?」

今回引いたおみくじを保存しておき、今年の年末に再び開けて答え合わせをする、という検証の仕方も至ってシンプル。
よって今年は引いたおみくじは持ち帰ることにして、新年早々に年末のおみやげをこしらえたわけだ。


おみくじの精度の確認をすることにして、それを忘れぬようにとこれは備忘録的記事。
とりあえずこれで早々に年末の楽しみがひとつできた。あとは12月31日に確認するのみ!

12月に読んだ本からおすすめ10冊を紹介

師走だけあって雑多なことに時間をとられる日々!!

そんな12月に読んだ本は14冊。

今月はあまり読めなかった印象…

とりあえず、そんな中からおすすめの10冊を紹介!

これもまた後日に感想を更新するかも。

 

 

 

第10位

『死刑囚 最後の晩餐』

死刑囚 最後の晩餐

死刑囚 最後の晩餐

 

 正直想像と多少違った構成の内容。

アメリカ死刑因の最後の晩餐が載せられているのだけど、そこにばかりスポットを当てるのではなく罪状のほうの記述にも結構力を入れていたのが印象的。

もう少し最後の晩餐についての記述に対し、詳細を期待しただけに残念。

それでも最後の食事としてどのようなものを選択するのか?というのはやはり興味深い。その罪状と合わせて読むことで、まさに味わい深くなる点もあったといえる。

 

 

第9位

『歴史を変えた100冊の本』

歴史を変えた100冊の本

歴史を変えた100冊の本

 

 本好きとしては読んで損はない本の本。

 

 

第8位

『哲学に御用心』

哲学に御用心―認識の謎を探る

哲学に御用心―認識の謎を探る

  • 作者:中村 光世
  • 出版社/メーカー:カニシヤ出版
  • 発売日: 1997/04
  • メディア: 単行本
 

 哲学的と言えるものをテーマにした対話式小説。

物が見えるとはどういったことか?独我論を崩せるのか?としたような、普遍性を問うような形而上学を取り扱ったりしながらも対話式に進むのでわかり易く万人向けに仕上がっていると思う。

哲学に興味はあるけど、なんだか難しそう。

そんな哲学初学者にお勧めできる一冊。

 

 

第6位

『超越錯覚―人はなぜ斜にかまえるか』

超越錯覚―人はなぜ斜にかまえるか

超越錯覚―人はなぜ斜にかまえるか

 

 これはなかなか良い本だった。それはあまり類を見ない内容であったから。

その内容、一言で言えば「メタ的な意識の捉え方としての日常さ」。

どういうことかといえば、俯瞰的視線の持ち様であり、メタ的な感覚というものを言語で説明しようとも、それはそもそもの前提となる知識がなければ容認も認識も理解も捗りにくい。

そんな折、本書ではそうした「メタ的な思考」をまさに実践的、というか日常に潜む体験談に結び付けて示すので「ああ、確かに!」と多くの体験談により共感できることは必須的。それと同時に「メタ的な意識の捉え方とは、ああいう場面でのああした気持ちのことなのか!」と理解は早まるはず。

なので学術的な本ながらも感情的。ここまでメタ的な思考、俯瞰する視点の感じ方を平易にも伝わり易く示した本とは稀有なのでは?と感心してしまった一冊。

 

 

第6位

ギルガメッシュ

ギルガメシュ

ギルガメシュ

  • 作者:梅原 猛
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1988/10
  • メディア: 単行本
 

 絶賛放送中のかのアニメの影響もあって手に取り読んだ一冊。

感想。面白いじゃん!!

ギルガメッシュの話といえば、世界最古の物語とも言われているのに現代にも通じるビルドゥングス・ロマン性!!

とても読み易くもありああ面白かったと思いそして古典を読み終えたことでの満足感。

としながらも読了後に本書について調べた結果、これがギルガメッシュ叙事詩のアレンジ、戯曲版的なものとして少し「うん…」となる。

けれど内容としては普通にとても面白くはあったのでお勧め。

 

 

 

第5位

『映像の修辞学』

映像の修辞学 (ちくま学芸文庫)

映像の修辞学 (ちくま学芸文庫)

 

映像における記号性について。

意味内容と意味表現の「量的差異」について等の解説もあってなかなか面白い。

これもまた後日にでも詳しく感想をまとめようと思う。 

 

 

第4位

『哲学と反哲学』

哲学と反哲学 (岩波現代文庫)

哲学と反哲学 (岩波現代文庫)

 

これは素直に面白かった。

哲学的な示唆について、新たに気付かされて得るものも多かった一冊。 

 

 

第3位

『昼と夜―ジョルジュ・ブラックの手帖』

昼と夜―ジョルジュ・ブラックの手帖

昼と夜―ジョルジュ・ブラックの手帖

 

画家ジョルジュ・ブラックによる名言集のような箴言集。

ページ数も多くなく、載せられている言葉も正直それほど多くはない。

 ただどの短いセンテンスの言葉も重みがとても感じられ、箴言であり真言のような至極の言葉ばかり。芸術家だけあり制作に対する志向性な言葉には特に印象的なものが多く、クリエイティブさを知りたい人には一読して決して損のない一冊。

 

 

 

第2位

『ゲーム・オーバー―任天堂帝国を築いた男たち』

ゲーム・オーバー―任天堂帝国を築いた男たち

ゲーム・オーバー―任天堂帝国を築いた男たち

 

 ゲーム好きには一読してもらいたい本。

ネットでたまに見かける「任天堂法務部は最強!」なんていう言葉の真意が本書を読めば掴める内容。

本書はアメリカ人が書いたものであり、現地アメリカで任天堂がどのようにして発展、進出して言ったのか?をこと細かく述べる。

すると、というか流石アメリカ、任天堂も散々訴えられていたことがよくわかり、そのめちゃくちゃさなんかも面白いとして(ドンキーコングが「キングコングに似ている!」として訴訟されたり)、任天堂が裁判で連勝していく姿はもとより同時に訴訟側のとんでもない主張とそのありえないようなブラフさも知れて笑えたり。

あとは任天堂の歴史についても創業当時からの様子を知れる内容であり、ノンフィクションとしてとても丁寧に作られている印象。

さらにはセガアメリカ進出のあたりの話も出てきたりとでセガファンとしては嬉しく、テトリスの版権についての話なども登場。これなどは本当に泥沼であってめちゃくちゃ。そのカオスっぷりが面白く、テトリスに対する見方が変わること必須!*1

あとは任天堂の裏の顔など見れて感慨深い。政治的、とさえ表せるであろうと思えるその手腕と手法。本書はゲーム好きにはもちろんのこと、ゲーム産業に興味ある人にもぜひ読んでほしい一冊!!

 

 

第1位

バットマン:キリングジョーク 完全版』

 2019年12月の一番お勧めの本はこれ。

アメコミ。今年公開の映画『ジョーカー』の原作でもあり、そして敬愛するアメコミ作品『ウォッチメン』と同じ作者による一冊!!

具体的な感想としては、別記事に仕上げているので詳しくはそちらで。

なのでここでは簡易的に本書についての感想を。

本作品はページ数も少なく、しかし計算されつくされた作品といって過言ではなくページ数に反比例するかのような濃厚な内容。

テーマ性として「悪とは?」といったものを感じ、安易な相対主義批判にも思えれば(それが「相対主義」を批判的に描いている、と読み取る事にこそ意味があるよう思えたり)”勧善懲悪”その概念こそをこらしめるような作品。

 

 

 

*1:メガドラミニにテトリスが収録される!」として発表時に一部が大いに盛り上がった理由が、本書を読んでようやく理解できた。

11月に読んだ本からおすすめ10冊を紹介

11月に読んだ本は19冊。

色々とバタバタしていてあまり読書できなかった印象…
これも簡潔にまとめてとりあえず公開を。

なので後日、より詳しい感想をと更新する可能性あり。

 

 

 

第10位

『錯視完全図解―脳はなぜだまされるのか? (Newton別冊)』

錯視完全図解―脳はなぜだまされるのか? (Newton別冊)

錯視完全図解―脳はなぜだまされるのか? (Newton別冊)

 

 実践的内容でもあり、実際に錯視となる絵が多数収録。

そして錯視の起こる現象についての解説もあって二度楽しめる内容。

 

 

第9位

『The Helvetica Book ヘルベチカの本』

The Helvetica Book ヘルベチカの本

The Helvetica Book ヘルベチカの本

 

 ヘルベチカ!

というか、正直これを読むまでその名称が何を示すのかさえ知らなかった…

ただ、読むと気付く美しさ。それが読んだ感想。

ヘルベチカ!癖になるような、良い名前でもある。

 

 

第8位

『夢の検閲官・魚籃観音記』

夢の検閲官・魚籃観音記 (新潮文庫)

夢の検閲官・魚籃観音記 (新潮文庫)

  • 作者:筒井 康隆
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2018/04/27
  • メディア: 文庫
 

 時かけのセルフパロには思わず笑う。

 

 

第7位

『考える人―口伝(オラクル)西洋哲学史

考える人―口伝(オラクル)西洋哲学史 (中公文庫)

考える人―口伝(オラクル)西洋哲学史 (中公文庫)

 

少々批判的な視線で綴り過ぎな感もありながら、独特とさえ評せる著名な哲学の捉え方、解説はなかなか面白い。

 

 

第6位

『デザイン思考が世界を変える』

見えるもののデザインのみではなく、見えない形のデザインの重要性を語る辺りは悪くなかったかなと思う。

 

 

第5位

西城秀樹のおかげです』

西城秀樹のおかげです (ハヤカワ文庫 JA)

西城秀樹のおかげです (ハヤカワ文庫 JA)

 

お馬鹿SF(最高の褒め言葉) 

個人的にお勧めの短編小説。 

笑えた。 

 

 

第4位

チンパンジーが話せたら』

チンパンジーが話せたら

チンパンジーが話せたら

 

 言語学的な内容。

言葉の存在性とは?を発話的な言葉を使わず交流を果たしてきた人物にスポットを当てるなどしてその真意性を探ろうとする。

本書については後日によりまとめようかと思う。

 

 

 第3位

ロングテール‐「売れない商品」を宝の山に変える新戦略』

 昨今ではすでに有名となった言葉「ロングテール」。

著者はその言葉の発案者であり、そしてその意味を綴った内容でもあるのが本書。

読むと納得。そしてロングテールの意味を誤解していたのだということもよくわかり、誤解としてはロングテール=「長く売れる商品」と思い込んでいたため。

実際にはニッチ分野のことを指すのだと。

本書ではロングテール理論について解説。ロングテールすなわち低い位置の売れ筋とはずっとゼロにはならず続くものであり、そして在庫など物理的制限さえ軽減できればそうしたゼロにはならない細々とした売れ筋が実際には大きな収益に!

今後の時代、商品の物理的制限が緩和されつつある現状においては(例としてデジタル媒体の配信といえばわかりやすい)こうしたニッチの商品の売り上げこそが重要なのだと。

そこでの後半で引用されていた「べき法則」やパレードの法則に沿い合わせた話がまた印象的ではあり、物理法則を利用しての解説は納得し易く上手い使い方。

 

 

第2位

『宴のあとの経済学』

宴のあとの経済学 (ちくま学芸文庫)
 

 昨今の労働環境に対しても尚、当てはまる事の多い箴言が多くハッとさせられること多数。

マルクスの未来予想など印象的で、機械の進歩により労働力が賄われては「将来の人たちは余暇を増やすであろう」とした発想は自然に思えるけれど実際には逆であってまさに皮肉的。そういうことを考えると「AIがいくら進化しようとも、今の人が考えるような仕事を奪われるなどという事態は生じないのでは?」と思えてくる。

それは実際、AIがいくら進化しようとも人間のほうが進化(意識の変容)をしない限りは、たえず生産の増加は止まないからである。

本書は慧眼的な意見が数多く、労働における問題点をはじめ、そもそも「どうして労働をするのか?」とする労働に対する見方を教えてくれる。そして労働に関して、考えるべきことも。

これはとても良い本で、社会人であれば一読して決して損のない内容。

 

 

 第1位

『ハヤカワ文庫SF総解説2000』

ハヤカワ文庫SF総解説2000 (早川書房)

ハヤカワ文庫SF総解説2000 (早川書房)

 

 これは恣意たっぷりな個人的一位の本。

というのも大のSF好きで青の背表紙を見るだけで興奮する輩としては、なかなか至極な内容の一冊。

そして本書は数多のSF小説の概要、あらましが綴られており、それらはずいぶんと昔の作品も多いが今に読んでも「凄い設定!」と驚かされることもしばしば。

早川SF好きには必読の一冊であることは間違いない。

 

 

10月に読んだ本からおすすめ10冊を紹介。

10月に読んだ本は27冊。

その中からおすすめの10冊を簡潔に紹介。

 年越し前に清算しようと簡潔にまとめ、後に更新するかも。

 

 

第10位

『日本SF短篇50 I (日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー)』

 

 

第9位

『日本SF短篇50 IV 1993-2002―日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー

 

 

第8位

『自分の中に毒を持て』

自分の中に毒を持て<新装版> (青春文庫)

自分の中に毒を持て<新装版> (青春文庫)

 

 

 

第7位

人工知能の見る夢は AIショートショート集』

人工知能の見る夢は AIショートショート集 (文春文庫)

人工知能の見る夢は AIショートショート集 (文春文庫)

 

 

 

第6位

分裂病の少女の手記―心理療法による分裂病の回復過程』

分裂病の少女の手記―心理療法による分裂病の回復過程
 

 

 

第5位

『数学の出番です。―つい人に伝えたくなる数学のハナシ』

 

 

 

第4位

『物理の教室 (ペレリマンの科学の家)』

物理の教室 (ペレリマンの科学の家)

物理の教室 (ペレリマンの科学の家)

 

 

 

 

第3位

『SFアニメで学ぶ船と海』

SFアニメで学ぶ船と海

SFアニメで学ぶ船と海

 

個人的にもっと評価されていいと思えた一冊。

本書を読めば海に対する興味が深まるのはもちろんのこと、水中で起こる現象について実にわかりやすく解説してくれるのでスクリューによって出来る対流について等、知ることが出来る。

 これは知的好奇心を刺激し楽しませてくれる良書で、老若男女にお勧めできる本。

 

 

第2位

『一射絶命―禅、弓道、そして日々の行』

一射絶命―禅、弓道、そして日々の行

一射絶命―禅、弓道、そして日々の行

 

 アメリカ人による、禅と弓道の体験記。

禅と弓道、これら二つの存在に関する考察。その実体験と、自らの成長記録を交えて語る内容であり思いのほか興味深く思えた内容。

また弓道についてでは一射の方法がこと細かく解説されていて読み応えあり。

さらに弓道ではその弓の放し方として「葉の隅に溜まった水が落ちるように、自然と手を離すようになる」のがベストとしてたのがとても印象的。

禅と弓道の体験記ながらそこから得た著者の知見とは、この二つのみではなく生活全般に応用できる生活の知恵。それは精神的なものであり、本書を読むことの有意義性とはそこにあるよう感じられた。

 

 

第1位

道徳の系譜

善悪の彼岸 (光文社古典新訳文庫)

善悪の彼岸 (光文社古典新訳文庫)

 

 自己欺瞞への告発書。

正直、内容としては「言語の由来と、そこから読み解くルサンチンマンの原理か」と思いつつ読み進めると少し意外。というのも、なるほど主張する意見としては一辺倒的だが、それでもこうも感慨深さを感じ得るように思えたのは流暢な文章の賜物。

その柔らかくも内心に染み込んでくる表現の仕方は特徴的。親しみさを感じられながらも強烈で、己の思いを忌憚なく主張しているよう感じられた。

さらには「人間の本質とは他人の苦痛を悦とする」といった過激な主張も。

「他人が苦悩するのをみるのは楽しいことである。他人に苦悩を与えるのはさらに楽しいことである」といったような本文中にあるこうした主張はなかなか衝撃的。このような性分が人間の本姓ならば、人の不幸を嘆き他人の苦悩を一緒に苦悩できる人間こそがイレギュラーに思えてくるほどである。しかしなるほど、思えばゼウスなどが登場する神話においても神々は人の不幸を見て楽しんでいるようではあり、さらに「万能な神ならば未来視も出来るはず」という指摘は尤もで、古来からの神の万能性を唱える主張の矛盾点をこうも簡単に見つけ指摘するので驚かされる。

本書は各々が持ち得る隠された性分を明るみに出し、見せ付けてくる内容であり自省にもなりさらなる人間理解にも通じる一冊。

 

 

 

マックでグラコロを食べる。

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実に久々。
マックに行く機会があり、期間限定名物のグラコロと言えば「この旨さは戦争をなくす」なんて言葉さえネットで見かけていたので気になり、気づけば注文を。
そうして、なんとなくで食べてみた。


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オーロラソースは端に添えられ、憂鬱にバンズの崖から飛び降りようとしているのを救い上げるように口の中へと運び咀嚼すると特殊なバンズは想定外のほどふわふわわたあめ雲のようであり雲の感触は?と問われればグラコロのバンズだよとの答えが一般化する可能性を示唆させパテのコロッケ中身はグラタンであるのは予定調和でありながらもその味は予想外にもホワイトソース濃厚!とはならず味は薄く淡白ぱくぱく無味無臭に食べさせるその白濁した粘りけある味わいはまるで半熟目玉焼きの白身のようであり想像していたような濃厚な旨みは皆無で残念後悔失敗無念の心地で足取りならぬ舌心地の悪さに思わず眉をしかめれば。

うーん、正直微妙だった‥。
なのでこのグラコロに対する感想は、なぞかけで締めようと思います。

グラコロの味」とかけまして、
「このなぞかけ自体」とときます。
その心は、
どちらも「思ったほどうまくない」。

豆腐グラノーラがおいしい

 

完全に出オチであってタイトルで全てを語っているのだけど解説を加えれば。

昨今のちょっとしたマイブームが『豆腐グラノーラ』。

それは何かといえば実にシンプルで、フルーツグラノーラをヨーグルトではなく豆腐で食べるといった趣のもの。要はヨーグルト替わりに豆腐!

 

 

するってえと、これが思いのほかおいしい!

 

そもそもきっかけは一時の食欲不振のとき、食べ易いからと豆腐ばかりを食べていたのだけどそのときふと、”あ、グラノーラあるじゃん。でもヨーグルトないな。あるといえば豆腐ぐらい。豆腐…”

そこで試してみた結果。相性は悪くない。

いや、寧ろ良い。フルーツグラノーラの甘すぎる味が、豆腐の淡白さによってちょうど中和しいい塩梅に。

さらに栄養素的にも、豆腐であることによってヨーグルトよりも多くのたんぱく質を摂ることができる。その上さらにさらに、豆腐といえば庶民の味方であってスーパー等で安いものなど1個40円!ほどで売っている。それも40円で一丁300g!

コスパも抜群で、有名メーカーのヨーグルトなどでは400gで150円もしくはそれ以上。

その値段分を豆腐に換算すれば、約1120gほども買えるのだから!

 

個人的にはグラノーラ、ザクザクとした食感を残して食べたい派なので牛乳などに合わせるのは好きではなく、ヨーグルトでもちょっと柔らかくなるのは「うーん」となっていた矢先。豆腐で食べると汁気がそれほど多くないのでザックザックな食感も味わえ良い感じ。ただ経験上、豆腐といっても木綿では固すぎてあまりグラノーラとは馴染まず、よって豆腐グラノーラにするならば断然絹ごしがおすすめ!

というか歯ごたえが滑らかな豆腐であれば良し!!

この相性は意外で、ヨーグルトでグラノーラ食べるのに飽きた人にも、グラノーラの甘すぎる感がちょっと苦手な人も、試してみて損はないかと思う。

 

 

けれどあくまで豆腐。

豆腐であってヨーグルトではないので腸内細菌に好影響が出るわけではない。

だからヨーグルトを摂取した際のような健やかさ、身体の軽さは現れないかもしれないけれど、少なくともその分財布の方は重くなるはずである。