book and bread mania

-中途半端なサウスポーによる日々読んだ本の記録 + 雑記 + パンについて-

12月に読んだ本からおすすめ10冊を紹介

師走だけあって雑多なことに時間をとられる日々!!

そんな12月に読んだ本は14冊。

今月はあまり読めなかった印象…

とりあえず、そんな中からおすすめの10冊を紹介!

これもまた後日に感想を更新するかも。

 

 

 

第10位

『死刑囚 最後の晩餐』

死刑囚 最後の晩餐

死刑囚 最後の晩餐

 

 正直想像と多少違った構成の内容。

アメリカ死刑因の最後の晩餐が載せられているのだけど、そこにばかりスポットを当てるのではなく罪状のほうの記述にも結構力を入れていたのが印象的。

もう少し最後の晩餐についての記述に対し、詳細を期待しただけに残念。

それでも最後の食事としてどのようなものを選択するのか?というのはやはり興味深い。その罪状と合わせて読むことで、まさに味わい深くなる点もあったといえる。

 

 

第9位

『歴史を変えた100冊の本』

歴史を変えた100冊の本

歴史を変えた100冊の本

 

 本好きとしては読んで損はない本の本。

 

 

第8位

『哲学に御用心』

哲学に御用心―認識の謎を探る

哲学に御用心―認識の謎を探る

  • 作者:中村 光世
  • 出版社/メーカー:カニシヤ出版
  • 発売日: 1997/04
  • メディア: 単行本
 

 哲学的と言えるものをテーマにした対話式小説。

物が見えるとはどういったことか?独我論を崩せるのか?としたような、普遍性を問うような形而上学を取り扱ったりしながらも対話式に進むのでわかり易く万人向けに仕上がっていると思う。

哲学に興味はあるけど、なんだか難しそう。

そんな哲学初学者にお勧めできる一冊。

 

 

第6位

『超越錯覚―人はなぜ斜にかまえるか』

超越錯覚―人はなぜ斜にかまえるか

超越錯覚―人はなぜ斜にかまえるか

 

 これはなかなか良い本だった。それはあまり類を見ない内容であったから。

その内容、一言で言えば「メタ的な意識の捉え方としての日常さ」。

どういうことかといえば、俯瞰的視線の持ち様であり、メタ的な感覚というものを言語で説明しようとも、それはそもそもの前提となる知識がなければ容認も認識も理解も捗りにくい。

そんな折、本書ではそうした「メタ的な思考」をまさに実践的、というか日常に潜む体験談に結び付けて示すので「ああ、確かに!」と多くの体験談により共感できることは必須的。それと同時に「メタ的な意識の捉え方とは、ああいう場面でのああした気持ちのことなのか!」と理解は早まるはず。

なので学術的な本ながらも感情的。ここまでメタ的な思考、俯瞰する視点の感じ方を平易にも伝わり易く示した本とは稀有なのでは?と感心してしまった一冊。

 

 

第6位

ギルガメッシュ

ギルガメシュ

ギルガメシュ

  • 作者:梅原 猛
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1988/10
  • メディア: 単行本
 

 絶賛放送中のかのアニメの影響もあって手に取り読んだ一冊。

感想。面白いじゃん!!

ギルガメッシュの話といえば、世界最古の物語とも言われているのに現代にも通じるビルドゥングス・ロマン性!!

とても読み易くもありああ面白かったと思いそして古典を読み終えたことでの満足感。

としながらも読了後に本書について調べた結果、これがギルガメッシュ叙事詩のアレンジ、戯曲版的なものとして少し「うん…」となる。

けれど内容としては普通にとても面白くはあったのでお勧め。

 

 

 

第5位

『映像の修辞学』

映像の修辞学 (ちくま学芸文庫)

映像の修辞学 (ちくま学芸文庫)

 

映像における記号性について。

意味内容と意味表現の「量的差異」について等の解説もあってなかなか面白い。

これもまた後日にでも詳しく感想をまとめようと思う。 

 

 

第4位

『哲学と反哲学』

哲学と反哲学 (岩波現代文庫)

哲学と反哲学 (岩波現代文庫)

 

これは素直に面白かった。

哲学的な示唆について、新たに気付かされて得るものも多かった一冊。 

 

 

第3位

『昼と夜―ジョルジュ・ブラックの手帖』

昼と夜―ジョルジュ・ブラックの手帖

昼と夜―ジョルジュ・ブラックの手帖

 

画家ジョルジュ・ブラックによる名言集のような箴言集。

ページ数も多くなく、載せられている言葉も正直それほど多くはない。

 ただどの短いセンテンスの言葉も重みがとても感じられ、箴言であり真言のような至極の言葉ばかり。芸術家だけあり制作に対する志向性な言葉には特に印象的なものが多く、クリエイティブさを知りたい人には一読して決して損のない一冊。

 

 

 

第2位

『ゲーム・オーバー―任天堂帝国を築いた男たち』

ゲーム・オーバー―任天堂帝国を築いた男たち

ゲーム・オーバー―任天堂帝国を築いた男たち

 

 ゲーム好きには一読してもらいたい本。

ネットでたまに見かける「任天堂法務部は最強!」なんていう言葉の真意が本書を読めば掴める内容。

本書はアメリカ人が書いたものであり、現地アメリカで任天堂がどのようにして発展、進出して言ったのか?をこと細かく述べる。

すると、というか流石アメリカ、任天堂も散々訴えられていたことがよくわかり、そのめちゃくちゃさなんかも面白いとして(ドンキーコングが「キングコングに似ている!」として訴訟されたり)、任天堂が裁判で連勝していく姿はもとより同時に訴訟側のとんでもない主張とそのありえないようなブラフさも知れて笑えたり。

あとは任天堂の歴史についても創業当時からの様子を知れる内容であり、ノンフィクションとしてとても丁寧に作られている印象。

さらにはセガアメリカ進出のあたりの話も出てきたりとでセガファンとしては嬉しく、テトリスの版権についての話なども登場。これなどは本当に泥沼であってめちゃくちゃ。そのカオスっぷりが面白く、テトリスに対する見方が変わること必須!*1

あとは任天堂の裏の顔など見れて感慨深い。政治的、とさえ表せるであろうと思えるその手腕と手法。本書はゲーム好きにはもちろんのこと、ゲーム産業に興味ある人にもぜひ読んでほしい一冊!!

 

 

第1位

バットマン:キリングジョーク 完全版』

 2019年12月の一番お勧めの本はこれ。

アメコミ。今年公開の映画『ジョーカー』の原作でもあり、そして敬愛するアメコミ作品『ウォッチメン』と同じ作者による一冊!!

具体的な感想としては、別記事に仕上げているので詳しくはそちらで。

なのでここでは簡易的に本書についての感想を。

本作品はページ数も少なく、しかし計算されつくされた作品といって過言ではなくページ数に反比例するかのような濃厚な内容。

テーマ性として「悪とは?」といったものを感じ、安易な相対主義批判にも思えれば(それが「相対主義」を批判的に描いている、と読み取る事にこそ意味があるよう思えたり)”勧善懲悪”その概念こそをこらしめるような作品。

 

 

 

*1:メガドラミニにテトリスが収録される!」として発表時に一部が大いに盛り上がった理由が、本書を読んでようやく理解できた。