ヤマザキの ”コッペパン” ポテトサラダ&タルタルソース
惣菜系のコッペを食べるのは久々。
普段寄らないスーパーで見かけ、気になって購入。
愛らしさも感じる、その見た目。
ずんぐりした見た目は色合いも相まって、何処かゴッグっぽい。
相変わらず大ぶりで、1個の重量は140gもあって見た目どおりにヘビー級。
それでいてカロリーは350なので、案外低い。
中のフィリング。
量はまあまあ入っており、
薄く平たく敷かれ、機械的な均一感。
持つと生地はふんわり柔らか。
食べると、生地はふんわり柔らかくて弾力ある。
比喩で言えば「柔らかい枕」といったぐらいにはふんわりしており、軽く握っても弾力を生地に感じる。
味としては、生地自体、意外と甘過ぎず普通の菓子パン生地。
フィリングは結構普遍的なポテサラ風ながらも、タルタルソース使用なので特有の酸味が強めであり、多少なりともタルタル味の個性を主張。
そして全体的に濃い味で、ポテトサラダは「ボリュームたっぷり!」というほど入っていないが、それでも全体へ味を染み渡らせるには十分な量。
あと意外と具だくさん感があって、じゃがいもやにんじんは固形で目に見え、歯応えもあっていい具合。
パンのふわふわも相まってボリューム感もそれなりにある。
こうした「ふんわり、もちもち」とした生地のパンは日本人には特に馴染み深くて人気がありそうで、老若男女向けのド定番といったパン生地。
ポテトサラダは、タルタルソースが嫌いでなければすんなりと受け入れられる味であって、タルタルにおける卵黄味のコクもあって普通に美味い。
全体として、安価の割にはいい出来と思うパン。
カロリーも高すぎず、菓子パンにしては「食べたな」という満腹感も高め。
惣菜系こっぺの中で、悪くない一品に思えた。
うまさ究める
内容としては、タイトル通りに“うまさ”をいろいろな観点から探求。
科学的に検証・解説しており、専門用語が出ようが丁寧な解説が伴っているので、分かり易い。
構成は全10章から成り、各章は短めながらも追究心が深く、掘り下げる内容はどれも読み応えあり。
新鮮な刺身は本当においしいか、とする章では魚介肉の成分を分析し、
そもそも魚の美味しさって何?という点から科学的に述べる。
中では、
イノシン酸の方はほとんど味の力がないことが、最近の研究でわかった。おもしろいことに、イノシン酸をなめてみたときに、かすかにうま味が感じられるのは、この物質が唾液中にごく微量に含まれているグルタミン酸と相乗作用することによって、その味が現れてくるためなのだとされている。
うま味成分であるイノシン酸は、グルタミン酸と合わさると相乗効果でうま味を何倍にも感じる、というのはもっぱら報道されており知っていた。
けれど、イノシン酸のみでは、ほとんど味がないとは知らず多少驚いた。
同時に、唾液にはグルタミン酸が含まれているという事実も面白い。
また、刺身の鮮度と「おいしい」と感じるかどうかの関連として歯応えにも注目し、イノシン酸含量から分析する。ちなみに、はまちの刺身の場合は、適度な食べごろは即殺後10時間前後、とのこと。
脂肪と脳と快感についての解説にも興味を惹かれ、
脂肪に対して反応する味蕾は舌の先にある『鼓索神経』ではなく、舌の奥やその周辺にある『舌咽神経』が主に関わっているとこれを読み知った。
3章目の「おいしく太らない夢の油は作れるか?」
といった内容は現代人にとっては 興味深く、内容も面白かった。
ここでとても印象深かったのは、カロリーを抑えた脂肪代替物を使用しての実験。
マウスを用いた実験では、脂肪代替物を与えても脂肪のように好んで摂取するが、脂肪代替物であると満足度が低いといった結果が!
それには脳内麻薬として有名なβエンドルフィンが関与しており、βエンドルフィンによる美味しさの快感とそれに続くドーパミン放出による執着、これが油の満足感の正体!であり、脂肪代替物ではマウスから検出されるそれら物質の量に変化が生じた。
また、ドーパミンは「もっと食べたい」や、忘れられない感覚を形成する上で重要らしい、とのこと。
実験では、マウスは脂肪代替物には執着せず、といった結果。
ここで重要なのは、『おいしさ』には二種類が存在するということ。
それは口の中のおいしさと、消化吸収されてからのおいしさ。
その二つともがそろわないと、執着にはいたらない。それは満足しないということで、
偽物の油脂は体が見破った、ということに他ならない。
つまり本能的に油脂をおいしい、と思うのは口の中だけでの反応ではなく、体も栄養としてそのおいしさを味わっていることになる。
高度なおいしさには、口の中と、代謝後と、両方の満足が必要であると考えられる。
これが脂肪代替物を、本物の脂肪に取って変わらせることの出来ない理由。
なるほどなあ思うと同時に、人間の体が如何に効率よく栄養を求めるように出来ているかを示すようであって、感慨深い。
「あぶらはうめえから、たくさん摂れよ」と飢餓状態の多い時代を過ごした人間の腸は、脳に油脂をうまいと思わせたくさん食べさせようと目論んだわけだ。
この章では、脂肪代替物を用いて「カロリーの低くて満足できるチョコレートは作れるだろうか?」と疑問を呈していたが、その結論としては上記のとおり。脂肪代替物では体が満足せず、脳に行き渡る感想も味気なくなってしまう。
ゆえに、「太らないチョコレート」の出現は、結局は「食べる量にて解決しろよ」といった結論が一番まともであるということだ。
うまさと喉越しの関連性についての研究も、酒好きには重要。
しかし自分は酒をあまり好まずとも、この章もまた面白く読めた。
のどの上喉頭神経は水やアルコールによく応答するが、甘味や塩味には応じないという特徴がある。この神経は水線維と呼ばれ、この種の神経は舌には存在せず、喉にしか存在しない特殊な神経。この神経が刺激されると、味覚神経のひとつである上喉神経によって脳に送られ、のどごしの感覚を味わうことになる。
つまり、「ビールはのどごし!」といった主張は生化学的にも正しい主張であり、ビールはのどで味わっているのだ。
内容ではさらに掘り下げ、「ビールの切れ味とは何なのか」といったことまで解明しており、飲み応えならぬ読み応えあり。
あと面白いのは、のどの神経応答に対する塩味の効果。
私たちがお酒を飲んで、塩気あるつまみを食べるということは、お酒によってのどに生じている感覚をリセットし、またおいしく味わえる状態にしているのである。
塩分濃度が高いものによってのどが刺激されると、それまでにあったビールの応答が抑制される。よって塩気あるつまみは、毎度ビールを美味しく飲むための生化学的反応であり、その正しさも立証されていた。
「酒のつまみにはしょっぱいものを」
といった行為に正しさがあるのは、人間が古来から酒と長い付き合いによって築いた直感的な叡智では?とも思う。
おいしさには唾液の存在も重要。
唾液リパーセは脂肪の消化を助けるには分泌量が少なすぎるうえ、味蕾の多く集まる有郭乳頭と葉状乳頭においてのみ作られる。
これはつまり、味覚を生じる程度の軽い消化をおこなっている、とのこと。
脂肪は5つの基本味に含まれないが、脂肪の多い食品は一般的においしい。
しかし、脂肪自体が味細胞を刺激する程度は弱い。一方、分解産物である脂肪酸は細胞を強く刺激し、味蕾近くで分泌されるリパーゼが脂肪を軽く分解し、味細胞を刺激しする!唾液の働きによってようやく、脂肪をうまいと感じているわけだ。
あと前から疑問に思っていた、
「どうして、タンパク質には味がないとされている?」
といった疑問にも簡潔な答えが述べられており、納得できた。
曰く、
高野豆腐の汁の味もビフテキのジューシーな味も、タンパク質ではなくアミノ酸、塩分、有機酸、核酸塩基、糖分などの低分子物質の味なのである。
大豆タンパク質を含む豆乳を加熱すると、タンパク質分子が互いにつながりあって、三次元に広がる網目のような大きな構造体をつくる。これが豆腐の正体だ。
中略
本体のタンパク質には味がない。
タンパク質のような分子サイズの大きい物質はたいてい味がない。巨大分子構造をしている澱粉にしろ、多糖類やDNAにしても、味はないのである。
これが「タンパク質に味がない」とされる理由。
では何故、タンパク質のような分子サイズの大きい物質には味を感じないのか?
その答えも明瞭。
舌の表面には味細胞と呼ばれる特異な細胞がある。その細胞上に存在する甘味の受容体に結合できるのは、分子サイズの小さいアミノ酸や糖などに限られる。タンパク質のようにアミノ酸の100倍以上ある高分子は、到底、結合できない。
つまり「どうして、タンパク質には味がないとされている?」というのは、味細胞が結合できないほどにタンパク質の状態では分子が巨大であり、それを分解して小さくすることによって、初めて味覚受容体が味をキャッチできる、というわけだ。
では俗に言う「味を感じ難い」や、味覚オンチは、唾液量の少なさも関係しているのかもしれない。
ここで最後に「おいしい」の正体とは?について。
脳内にはベンゾジアゼピン様物質というものがあると考えられていて、これが、おいしいという感覚をもたらすと推定されてきた。
このベンジゾアゼピンという物質自体は、薬品の一種で、脳内に同じものがあるとは考えられない。同じ作用をする類似の物質が脳がつくっていると思われている。
ここで面白いのが、この記述がある章のテーマが『まずいものはなぜまずい』というものであり、すると「おいしい」の正体が明らかとなったところで、反対のものも登場。
この物質を邪魔して、反対の作用をする物質が実際に脳にあることが明らかになっている。ジアゼパム(ベンジゾアゼピン)結合阻害物質。略してDBIという小さなタンパク質だ。
つまりこれからは、まずい手料理を食わされたら「…まずい」と口に出すのをはばかられても、「DBI風味たっぷりだね!」と口に出せば良い。
本書は紹介しきれぬほどに各章どれも充実しており、”おいしい”に関する知見を深めるにはもってこいの内容。
食、それも「おいしい」といった事象に興味のある方には、お勧めの一冊。
パスコの”ファボールサンド” マイルドチーズ
チーズが好きなので、
新商品であるこのフレーバーを見て「これは?」と気になり購入。
チーズ味に期待。
見た目。
長さある柔らかい生地。
1個の重量は89g、それに対しての表示カロリーは274。
中身。
チーズフィリングの量は程ほどながら、
均一に塗られていて人工感の方はたっぷり。
握れば容易にひしゃげる生地の柔らかさ。
食べてみると、生地は想像通りであって感触そのままの柔らかさ。
昔からの菓子パン生地であって、子供が好きそうな、ふにゃふにゃ食感。
しかしフィリングであるチーズの味は、意外と本格的。
子供向けな生地と相反するように甘さがなく酸味と塩味あるチーズ味。
系統としては、カマンベールっぽい。
幾分か大人向けのチーズ味であって、案外安っぽくもなく、惣菜系の味。
表記どおりに甘くなくコクの感じるチーズ味と、ちゃちな柔らか生地。
男性のスーツに短パンといったようなちぐはぐさを、同様に生地とフィリングに感じさせながらも、チーズの味は美味しく良い意味で予想外。
然し全体としては値段相応といった印象を拭えず、ジャンク感が勝る印象。
というか、生地自体が美味しくない。
ただパサパサしており、生地の味としては歯にこびりつくような後味のしつこい甘さ。
そこにこのチーズフィリングあって何とか食べられるといった印象。
このチーズとして、次に思ったのは、以前ローソンにあって美味しかった『黒ごまとチーズクリームのパン 』のチーズ味に似ている、ということ。
しかしねっとりしたカマンベール風のチーズながら、イミテーション感が強く、価格通りのクオリティ。けれど何かトッピングすれば美味しくなりそうではある。
これで生地がまだフランス系であれば、よりまともだったと言えるだけに残念。
このフィリングで何故この生地?と思えるパンで、もったいないクオリティのパンだった。
ヤマザキのサンスイート
ヤマザキの食パン。
カットされずに売られている食パン。
それが『サンスイート』。
栄養を見るとカロリー高めで、
原材料の二番目、マーガリンの影響と分かる。
一般的な食パンに対して脂質が高め。
まずはトーストせず生で食べてみた。
生地はもろいほどに、ふんわり柔らかい。
同社の「ふんわり食パン」を思わせる感触。
食べると、
生地は感触そのままにとても柔らかく、歯応えは皆無。
口どけよく、すぐとろけてしまう。
まるでケーキのスポンジ生地の如く柔らかい。
そこに租借を要さず。
生地の味としては、けっこう甘め。
噛んでも甘さのみが味として呈し、これはパンというよりは子どものお菓子に近い感覚。故に、主食パンとしては微妙で、外人にこれが食事用のパンといえば「ウソだろ!?」と驚かれそうな一品。
歯応え、食べ応え共に微々たるもの。
次にトースト。
というか、ホットサンドに。
食べてみると、生地はサクッとし、歯切れよい。
然し特徴的なのは、ともあれこれが皮肉的特徴なのだけど、トーストしても味がほぼ変わらない、といった事が特徴的。
つまりポテンシャルがその程度、ということを知らしめ、けれどサイズ的には小ぶりで耳部分も柔らかく、故にふんわりとしたサンドウィッチにはちょうど良いパン。
トースト後の状態はすだちが目立ち、油脂多目のパンなので、一種のデニッシュパン的味わいを感じた。
値段上、マーガリンなのは仕方がないと言えるだろうけれど、油脂のうま味は程ほどで柔らかいばかりのジャンク感が目立つ食パン。
柔らかすぎてパンとしての存在感が薄く、口どけも過度であって、食べ応えは皆無。
小麦の味も乏しく、人工的な甘みと油脂感が目立ち、これはもう菓子パンと呼べる。
お菓子のような食パンと称して過言でなく、お子様向けのパン。
栄養的にも偏りあって微妙であり、つまりは値段相応のパン。
そういった意味では、想定通りであり、期待通りではあるかもしれない。
ヤマザキパンの”パン・オ・ルヴァン”シリーズ
ヤマザキの3月新商品である”パン・オ・ルヴァン”シリーズ。
少々気になっていた中、安く見つけたのでなんとなく買ってみた。
まずはプリエーゼ。
ルヴァン使用とのことで期待。
内層。
気泡がとても大きく、実にワイルドで正直驚いた。
持つとクラストが硬い印象。
食べてみると、酸味が強め!
ホールセールのパンとしては珍しいほどに酸味が強くて本格的。
しかし食感としてはホールセールのパンっぷりを如何なく発揮し、
クラストはほんのり硬くソフトフランスのような硬さで、クラムはボソボソした食感。
全然モチモチしておらず食パンにもフランスパンにも劣る食感で、安っぽいソフトフランスの生地のそれとほぼ同じ。
味としても酸味ばかりが主張し、他の味は薄くて一辺倒。
粉の味もかき消されて、安い風味をルヴァンの酸味で誤魔化しているといった印象。
それでもこの酸味は独特で、チーズ等との相性の良さを思わせ、
料理に会わせる等には良さそうなパン。
味はまあまあ本格的。
けれど食感は相変わらず。
しかしホールセールのパンで低価格。そう考えるとなかなかよく出来ていると思う。
これを食べ、スクラッチベーカリーのルヴァン種のパンを食べると「こんなに違う!」とスクラッチベーカリーのパンの良さを再確認するに適したパンでは?
それぐらいのパンだった。
あと表示のカロリーとしては一包当り374。
だが計るとこの一包の総重量は198g。
とすると100g当りのカロリーは約189となり、さすがに低すぎる。
確実に間違っており、もう少し正確なカロリーを表示するか、100g当りのカロリーを載せてほしいものである。
こちらはプリエーゼと打って変わって気泡は実に密。
意外と多めにレーズンと胡桃が入っており、それらの味が隙間なく入り込む。
レーズンは甘く、胡桃の油脂感も酸化さはなくて普通に美味しい。
生地は多少ボソボソするもののレーズンと胡桃がそれをカバー。
これに関しては、想像以上に美味しく、そしてよく出来ていた。
これはホールセールのリーンなパンの中ではおすすめ!
あと双方にも、原材料の末端には
”酵素”があり、少々気になった。
ゴントラン シェリエのパン
ゴントラン シェリエの新宿サザンテラス店。
なかなか混んでおり次々と入店が続けば人気具合を伺わせ、
購入したのは2個。
2016年パンオブザイヤーを受賞したというクロワッサン(180円)と、
味噌セーグル(ハーフカット220円)。
まずはクロワッサンから。
見た目。
少し潰れてしまっていた…。
特徴としては背が高く、
一層一層がくっきりと見える、折り込みが成す成形の美しさ!
そして焼き目が薄め。
クロワッサンはけっこう濃い焼き色をつけるところが多かったりするので、
ここのクロワッサンは少し意外。
1個の重量57g。
内層。
細かい層の連なりを想像していたが、実際は違った。
層はまばらで、空洞が予想外に広い。
緻密さを層にあまり感じず、膨らみ具合からは発酵の良さを思わせる。
そして漂うバターの香り!
『2016年パン・オブ・ザ・イヤークロワッサン部門金賞』
と高い評価を有するので、期待して食べてみた。
食感としては、パリッと油脂がもたらすクロワッサン生地王道の食感。
そして膨らみ具合により層はそれほど密でないので、ふんわりと軽い口当たり。
しかし何より驚くのは、味の濃厚さ。
一口のみでバターの味がぶわあーっと広がり、これは美味い。
「美味い!」と思わせるよう、本能に刺激する味。
バターという存在をありありと誇示し、そのうま味を堪能させる。
バターに合わさる甘味は相乗効果となって、油脂と甘味の絶妙なバランス具合。
そこに中毒性があると言われる小麦が加われば、そこにあるのは悦楽をもたらすパンであって、美味くないわけがない!
クロワッサン人気の理由をギュッと凝縮したような完成度のえらく高いクロワッサンで、このクオリティを考えれば180円は十分に安い。
教科書、お手本のようなクロワッサンの味であり、そこに付け足すはフォルムや食感。
「もっとパリパリするほうが好き!」
「よりサクッとした層のものが好き!」
など細かい好みの差異が出ようと、味としてはこれがひとつの完成系。
そう思えるほどには満足できる味であって、お手本になる。
微かな塩気も甘みを引き立て、絶妙な塩梅。
流石に金賞だけある一品で美味しかった。
買いに行く価値あるクロワッサン。 絶品。
それでいて180円という値段には、驚嘆してしまう!
クロワッサン・ジャンキーを生み出してしまいそうな、危険なパン。
続いて味噌セーグル
ハーフカットでも233gのボリューム!
それで220円なのだから安い!!
そして賞味期限が購入後二日もあるのが特徴的。
内層。
クラムは密で、気泡は小さくまばら。
それらが膨らみ難いライ麦を思わせる。
パン自体から、赤味噌のようなほんのり甘い香りが強く広がり、少し驚く。
ドイツパンのように詰まっており、
持つと、どっしりしていて重量感がある。
食べてみると、意外!
見た目からして、食感はボソボソとして硬め。
そんな風に思っていたが、実際はまるで違う!
クラムは想定外に柔らかく、もっちりとはしておらず、歯切れ良い。
クラストも同様。硬くなくてさっぱりとした食感。
クラムは口どけよくて、油脂を感じさせぬ味ながらもまるでブリオッシュのような口溶けの良さ!
この見た目に相反する食感にまず驚き、次にすぐさま味においても驚かされる。
『味噌』味の主張が著しく、とても濃厚!
一般的な天然酵母のパンの味とはまるで違う。
味噌好きが味噌のため味噌マニアに向けて作ったかのように、味噌の風味が一挙に押し寄せ、口全体に。すぐさま押しかけ、成す術なく味噌味の美味いパンを味わう羽目に。
よって、多少なりとも不思議な一品で、しかしこのライ麦風味と味噌の相性は抜群に良い!ライ麦パンと味噌の相性がこれほど良いとは!と完成度の高さに驚き、口どけの良さ、歯応えの軽さにも然り。
それでいてこの濃厚さ。
凄い
の一言。
厚めのクラストを錯視と思わせるほどの柔らかさに、色合い以上の濃厚な味。
味噌を口に入れたかのような味の濃さ。
そこに混在する歯応え。
味噌とは違って租借を要し、けれど広がる味噌風味。
合わさるライ麦との絶妙なコントラスト。
癖のある物同士がケンカせずに交じり合い、実に美味い。
味噌好きには鉄板の逸品。
けれどそれ以外、味噌嫌いにとってはおそらくまるで駄目なパン。
それほどには濃厚であって、特に味噌好きでなくとも、嫌いでなければ良い意味で驚くこと請け合い。
ともすれば、おそらく織田信長がこのパンを食べても絶賛していたと思う。
ここまで個性的かつ完成度の高いパンは稀有な存在。
味が濃いので、少し食べただけでとても満足感のあるパンであり、
噛み応えも、食べ応えもあって、ダイエットにもいいのではと薦められるほど。
面白く、そして価値があるパンであるので、一度食べてみるのをお勧め。
ゴントラン シェリエのパン、
想定外のクオリティに正直だいぶ驚いた。
もっと普通かと思いきや、 良い意味で期待を裏切られ、
何よりこのクオリティでこの価格!
破格であり、味のみならず、「凄いな」と価格に関しても大いに思う。
凄く良かったので、東京行く際にはまた寄ろうと思う。