book and bread mania

-日々読んだ本の書評 + メモ集 + パンについて-

ぴよぴよ 水上悟志短編集 vol.2

 

惑星のさみだれ』で有名な作者による短編集。

これが思いのほか面白かったので、その感想を簡単に。

 

というか、素直に「面白い!」と思える漫画の短編集は久しぶりで、短編といえば作者の描きたい作品、無駄に印象深くみせようと凝った演出が多い中、この本ではオッカムの剃刀を習うようにシンプルであり、良い意味そして褒め言葉として思慮に乏しいと言え、故にシンプルながら、いやシンプルだからこそ楽しめる。

 

それだけなら単に、「テーマなく中身のない作品では?」と思いがちだが、作風と内容の密度は比例しないと思わせ、ライトな表現に対するメッセージ性の多さ。

さらにこの短編集はコマ割りが丁寧で読み易く、キャラクターも魅力的。ストーリーも王道に思えながら多少捻りが加えられていて安易でない。

全体的に完成度高めの作品ばかり。どれも短編アニメの原作になりそうな話で、癖のない上手い絵も万人受けするであろう一因。

故に、この人の作品がこうも面白く思えたのは、作品自体の読み易さにもあるように思え、無駄のないシンプルな絵や台詞など、昨今にありがちな無駄に書き込み多くすでに自己満足の域に達している漫画のような灰汁がないためだと思う。

そして各作品にはテーマがあり、深くも思えるメッセージ性がライトな作風に添わずしっかりと乗っているそのアンバランスさが魅力であると思う。

 

上記のトートロジー的感想は魅力的な部分を強調するため!という言い訳と共に、

短編集の漫画としてなかなかの秀逸さに思えた本書、どの作品もスッキリとした清読感をもたらしてくれるので、短編漫画では本書をオススメしようと思う!