SFベスト・オブ・ザ・ベスト (下)
くそっ、面白れえ!
思わずそう呟いてしまった。
今年流行したタレントのりゅうちぇるによる、
グルメレポぐらい衝撃的。
食べて感想を求められ、言った感想。
「これは…とっても…おいしい」
「アホやないかい!」
とのキレッキレの突っ込みで爆笑。
本書も、
そんな端的な発言しか出来ないほどに感嘆させては、思わず頬も緩めさせる至極のSF短編集。
本書は文字が小さめ。ながらも読み始めると話に引き込まれては、気付くとその短編一つを読み終えてしまっている。
まるでこの本の存在自体がSFのように、妖艶な魅力を持つ一冊。
半世紀ほど前の作品から成る内容ながらも、そこには超心理学や夢機械や1万年後が登場しては古臭さどころか前衛的な物語を呈し、変わらぬ人間の業やエゴも巧みに描く。
「夢幻世界へ」、「率直にいこう」、「公開憎悪」、「録夢業」などがとても良かったけれど、個人的イチオシとしては「ある晴れた日に」という作品。
これは前知識も先入観もなく読んでもらいたい作品。
やられた!と思う作品。
くっそー、面白いな。
時間を忘れさせるSFだった。
これはSF好き以外にもお勧めできる一冊。一読して一切の損なし!