地球の放課後
地球の放課後 コミック 全6巻完結セット(チャンピオンREDコミックス)
- 作者: 吉富昭仁
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2012/08/03
- メディア: コミック
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終末世界に、ほのぼのした日常を描いたような作品。
”ファントム”なる得体の知れないものが突如として出現。
それが人間を飲み込んでいき、 残されたのは四人のみ。
廃墟で無人化した世界で、充実したほのぼのライフを送る先にあるものとは?
端的にいってこのような内容の作品。
しかしジャンルはSFの括りに収まり、意外と面白かった。
崩壊した世界において営む日常っぷりは、悲惨さを醸さず陽気であり、
GTAばりの自由を謳歌する。
あまり日常系といわれる作品を読んだ事はないけれど、本作はすんなりと楽しめた。
後半になって、残りの枠を切り詰めるが如く急激に事態は進展を見せ、
”ファントム”の正体とは?
消えた人類はどうなったのか?
を解き明かし、流れるような怒涛の展開。
ただ、日常パートはあっさりし過ぎているため、多少読み応えがなくて、
すぐに読み終えてしまった感があり内容の希薄さを感じたりも。
しかしそのまったりとした情緒と自由な風潮は、
まるで午前中で学校を終えた後の午後のようであり、
青空における雲のように自由気ままで優雅に漂う。
ゆっくり流れてはあせりを知らず、穏やかであって色あせない。
そんな風情を見せ、ある種オールウェイズ三丁目の夕日的な懐古心を煽る内容でもあって、広い世代に楽しめる内容。
本作は括りとしてSFだろうけれど、同じぐらい日常のほのぼのした要素も強く、
素早く過ぎ去る日々の焦燥を和らげて、癒してくれるような雰囲気を醸す。
それも含めての作品名であるとは思い、実に的確な題名。
癒しSF漫画といった、大きな括りとして見れば、ドラえもんにも近いかもしれない。
最後、結末までの一気な流れは爽快で、読了感も良い。
佳作SF日常的漫画作品。