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book and bread mania

-日々読んだ本の書評 + メモ集 + パンについて-

けものフレンズが面白かった

時代の流れに寄り添って、なんとなく見始めてみたこの作品。

然しじっくり視聴すると、なるほど本当に面白い。

荒廃した世界を描くSF臭が充満しており、SF好きには最初から好ましい設定!

 

この作品は”笑顔の中の狂気”を上手に描いているように思え、それはまるでディズニーの”イッッ・ア・スモールワールド”に感じる、洗脳的平和な世界観。

物語には初めのほうから「なんだあれ?」と文化の名残を思わせる物などが端に映り、セルリアンなる正体不明の敵が現れ「これっていったい…」と戸惑わせる。

そうして深い内容っぽく見せては惹き込まれ、初見からでも各々を視察するとまた別の一面が出てきて面白い。

 

 

しかし視聴し続けると、寧ろそうしたSF的描写も、伏線思わせる描写もうわの空。

重要なのはそこではないぞと気づき、「たっのしー」と洗脳される。

 

そしてつい先日、迎えた最終回。

好評に終わり、「面白かった~」との声が辺りからちらほらと。

そこで「面白かった!」と好評の要因について、

勢いそのままに思いつきで視察。

視聴後、パッと思いついたことでの殴り書き。

ヒットの要因は?

 

・「シリアス」と「コミカル」の絶妙な塩梅。

 

 ・アニメに限らず昨今の娯楽作品における「因果関係」と「伏線」重視の姿勢に、視聴側が疲弊し始めたため。

 

等のことが当てはまると思う。

 

 

・「シリアス」と「コミカル」の絶妙な塩梅。

これについては言わずもがな。

物語内では廃墟を不気味に見せ、「人間いないの?」「滅びた!?」などと奇妙さを感じさせるが、陽気なテンションで一蹴。そこに狂気性を感じようが、「気のせいか!」と思わせるほどパワフルな陽気さを見せる。「いとをかし」を「たっのしー!」と訳すような豪胆さある愉快さ。

 

 

・アニメに限らず昨今の娯楽作品における「因果関係」と「伏線」重視の姿勢に、視聴側が疲弊し始めたため。

人間の脳とは、何事にも原因を求め、それに寄り添う結果を追求し、明確な因果関係を得ようとする。

理由は簡単で、整合性を得られるほうが安心できるため。するとそれは本能の一部であって、決して脳の無駄な機能じゃない。

けれどこれが過ぎると、実際には無関係な事象に無理な結び付けをしてしまい、齟齬が生まれてしまうが脳は知らん振り。

そこに実際、「おかしいな?」との思いがあっても、「因果関係!」成立のほうを重視し、結果的には「USA!USA!」のノリで「因果関係!因果関係!」と、物語においてこの部分ばかりをクローズアップ。すると張り巡らされた伏線はより高度になって視聴者を満足させようとするが、実際にはコンセント周りのようにぐちゃぐちゃと入り乱れていて見苦しい。理解するには辟易を伴い、「なるほどあれが複線か!」と作品自体の本質に注目せず、がんじがらめとなった整合性ばかりに注目する。

そこに登場するは「整合性?細かいことは分からないけど、たっのしー!」と言う姿勢をするものこそが「けものフレンズ」。

つまりは脳を軽くして気楽に観れる。

それでいて楽しめる。

娯楽作品のストーリーにおける王道性が著しく、それが今の世では逆に際立った。 

要は「Don't think, feel」

と言った作品であり、

 良いジョークも伝わらなければ面白くない。

といった、これと全く同じことであると思う。

 

「たっのしー」

の一言で済ませられる作品性。

そこに含まれる手軽さと、作品における本質の分かりやすさと伝わりやすさが、

ここまでヒットした最大の要因ではないかと。

 

 

最終回も良い感じで、期待を裏切らず。

彗星のごとく表れ、過剰な演出に「待った」をかけた作品。

そういった意味では、重要な意味を持つ作品であったのでは、と思う。