book and bread mania

-中途半端なサウスポーによる日々読んだ本の記録 + 雑記 + パンについて-

動物園

久しぶりに動物園に行ってきた。

日曜だけあって人が多く、仕事疲れの癒しを求めて行ったものの混雑具合によって逆に疲れた感も。

動物園の動物を一歩退いて眺めてみれば、動物を眺める人たちの後姿も目に入り、動物園の動物を眺める動物を眺めている状況。

だから動物園の”動物”は、来園者のことを含めているんじゃないかとふと思う。

 

 

 

あと最近印象的だったのは、少し年齢差があるように見えたカップルのこと。

若い女性と年配の男性の組み合わせで、このカップルは有名ブランドの袋をいくつも手に抱えていて、成金的にも記号的にもブランド品が好きなんだと思わせるには十分な見た目で、けれどそれだけなら別段印象にも残らなかったと思う。

それでも尚、そのカップルが印象的に映ったのは彼らが信号無視をしたからだった。

ブランド品を欲するのは、自分を飾るため。

それは外見的なことはもとより、内面的な意味(ステータスとしての)も同時にあるはずだ。しかし彼らはそうした内面性をブランド品によって誇示しながらも、信号無視をすることによって無効にする。

こうした一種の矛盾性がクリエイティブに感じられて、何だか新鮮だった。

都会の人はやっぱり面白いね。

答えがあるほうが難しいのかもしれない。

一応クリエイティブ系の仕事をしてる。

一般的に、そういう仕事では「答えがない」と言われることが多い。

たとえば哲学なんかでは答えがない設問も多く、人によっては「答えがないことが答え」なんてゴールドEレクイエムみたいなことを言ってきたりする。

だから一般的には「答えがない」問題の方が難しいと思われる。

けれど今日ふとした瞬間に「実は違うのでは…?」と思う瞬間があったのでこれを綴っている。

たとえば、数学には答えがある。

しかし答えがあって、その答えにすぐ納得できるのであれば、誰も数学を苦手とはしないだろう。

答えがあって、そこまでには答えに至る過程がある。

その過程が難しい。

それは数学に限ったことじゃない。

政治や経済、社会における諸問題にも答えはある。納得できる答えが。

問題は過程にあって、問題に対する答えはそこに含まれない。

 

 

一般的には、答えがない問題の方が難しいものだと思われている。

でも、実際は逆かもしれない。

鳩の話

昨日のこと。

出勤途中の道すがら、道路に佇む二羽の鳩を目撃。

それだけなら、なんということはない日常的な光景なんだけれど、でも違っていた。

その二羽の鳩が、全然微動だにしないんだ。

少し近づいても無反応。

作り物?と疑ってしまったほどで、でもよく見ると二羽ともまばたきしていた。

微動だにしない鳩。

時間があれば動画でも撮ろうと思ったけどそんな余裕はなくて通り過ぎ、でも気になって何度も振り返ってみた。するとやはりそこには二羽の鳩が佇んでおり、彫刻のようにじっとしている二羽の影。

なんとも不思議な光景で、鳩も人の多いところには多く集まるのだろうか?だとすれば人口密度の高い場所では変人の数も必然的に多くなるのと同様、鳩も分母が多ければそれだけ変な鳩が居る可能性も高いのだろうか‥と謎の推論をしながら出勤した昨日の朝の一幕でした。

引っ越し!

仕事関係で引っ越しすることに。

それで長らく暮らした部屋を明け渡すことになっては、その片付けやら準備に忙殺される日々が続き、判子文化の滅亡を願う等のことがありながらもようやく一段落。

にしても、とにかく蔵書が多くて一苦労。

本の山。本の山。本の山。

本の片付けには本当に苦労した。

ああ、でもやっぱり片付けていると昔買った本が出てきてつい読んでしまうこともあって、なかでも『時計じかけのオレンジ』なんかは出だしの最初の一行が最高で、そこだけでもう高揚した!なんてこともありつつ大量に本を処分。

他にも以前何処かでもらったチラシなんかも少しあって、ふと目を通すと「本当の自分を見つけるためのセミナー」みたいなものも。他人の力を借りて見つける自分が本当の自分なのか?という混じり気ある疑問を抱きつつ丸めて捨てた。

引っ越しは大変だね。マジで。

山中伸弥先生に、

 

なかなか面白い一冊だった。

好きな言葉が「人間万事塞翁が馬」なのには共感を覚えたり。

あと、アメリカではプレゼンの勉強もしてそれが後の人生で大いに役立ったとしており、本書でもそれが生きたと感じられるほどには解説が分かりやすい。

個人的に印象的だったのは、アメリカの先生から言われたという進言。

「研究者として成功する秘訣はVWだ。VWさえ実行すれば、きみたちは必ず成功する。研究者にとってだけでなく人生にとっても大切なのはVWだ。VWは魔法の言葉だ」

Vはビジョンのことで、長期的目標。

Wはワークハードのことで、つまりハードワーク、一生懸命働くということ。

研究者、また人間として成功するにはビジョンとハードワークが必要で、どちらが欠けても駄目だという。

あとは「阿倍野の犬実験をするな」という言葉も印象的で、意味は二番煎じの実験をするなということ。

 

なるほど、と思う。