バケモノの子
地上波放送にて視聴!
ネットでの評判はあまり芳しくないよう見えたので、そこまで期待もせずに視聴。
しかしいざ観始めると「何これ!面白いじゃん!!」となり、思わず見入った。
内容、テーマとしては親子愛が簡易的に描かれたものであり、主人公が幼少から成長する過程の模写に関しては省略も見受けられたが、そこの成長過程は脳内補完といったところ。
カタルシスよろしく”感動!”するような場面へと早送りするような中盤の軽薄さこそあれど、それは終盤に描きたかった事の多さによるものであり、しかし、中盤の薄っぺらさが感情移入の阻害をもたらすというジレンマに。
そんな事態に陥りながらも、この作品を「感動した!」もしくは「イマイチ…」と思うのかは、視聴側の状態に大きく左右されるものであると思う。
何故なら、年増で経験豊富ならば中盤で描かれずカットされた年月の部分を自身の経験や想像で補え、逆に若年で経験乏しければ、カットされた年月の場面を自身の経験や記憶で補えず、薄っぺらく感じてしまうだろうから。
よって、この作品における評価は視聴者自身による経験に反映されるものであり、面白いか、つまらないか、視聴者当人の経験値によって大きく左右される、
そういう印象を強く受けた作品で、年配の方が見ればお涙頂戴の感動親子物語。
若年者から観れば、モラトリアムな青春記、とでも映るのではないかと思う。
後半、急にファンタジー色濃くなり、色々と詰め込みすぎなような印象も受けたが、そこは娯楽作品。クリスマス等で配るお楽しみ袋の如く様々なお菓子が入っているような内容で、この作品も細かく色々と味わえる。ただし駄菓子だけれど。
しかしまあ、確かに言える事の一つは、ネットでの評判ほど酷くはなく、十分に楽しめるエンターテイメント作品だということ。