『月がきれい』というアニメ
今年の春アニメ『月がきれい』。
全十二話であり、先日無事に最終回を迎えたこの作品。
とても良かったので、平易に感想を。
「あらすじとしては」
なんてものは簡略できるほどにシンプルな構成。
ただの中学生における、甘酸っぱい恋愛与太話。
と、それだけならまだしも、最終回の最後には…。
まさに近年まれにみる御伽噺性であって、なるほどと思うと同時に
「この作品における一番の見所は?」
と問われれば、ずばりそれは
「視聴者の反応!」
である。
本作品は各人の「価値観」と言った色眼鏡の度合いが偉く強調される作品であって、同時に、己の内面を映し出しやすい作品。
これを見て納得するか、それとも反対的に見るかは、まさにその人の内面を覗かせ、鏡像認識できる人間にとっては辛い物語でもあり、悦楽をもたらす作品でもある。
性善説を唱える訳ではないのだけれど、大よその人がこの作品の終わり方には満足するのはないのだろうか?
それはつまり、ドラえもんで言うところの重要な名台詞、
「あの青年は、人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことのできる人間だ」
ということであって、
「それが、一番人間にとって、大事なことだからね。」
と締めるしずかちゃんのパパの言葉はまさしく金言に他ならない。
ここまで純朴な作品は昨今においては稀有であり、作品大量消費時代において目立つのは、その純朴さであって都会における裸の大将が異様な目で見られることにどこか似ている。
本作品を見れば、視聴者は自分の人柄にいやでも気付かされる。
そんな”心洗われる”作品でなく、まさに”心表れる”作品。
「素直に面白かった!」
と思う心は本心か、果たして欺瞞か。
そうして揺れる心を楽しめる作品であって、揺れる心情、作中の登場人物だけじゃないぞと成る作品。なかなか面白い。
コメントも面白く、まさにコメントを見るためのアニメと言っても過言でない!
自分の中のクソッタレ具合を測るにちょうどいいアニメだ!!