6月に読んだ本からおすすめ10
6月に読み終えた本は32冊。
その中からおすすめを紹介!
第10位。
『刑務所の中』
見聞録のようなものとしては非常によくできた作品。
内容としては刑務所での体験記を漫画にしたもの。
刑務所生活の実情を窺い知れる内容。
なるほど、塀の中でこういう風な生活を営んでいるのかと分かり、昭和的な絵も印象的でそれが作風にマッチし好印象。
食事の描写が多いのは、それだけ刑務所での楽しみであることを思わせ、受刑者同士のやりとりもまたリアル。これを読むと現実世界での自由さを改めて思い知り、塀の中における束縛された世界を知らしめる。
すると世間における自由さの素晴らしさを反芻できる。
そしてグルメ要素に多少なりとも惹かれてしまう。
つまりこれを読むと、色々と食いたくなるような漫画であり、昨今に蔓延るグルメ漫画の数倍の魅力があると感じたほど。
理不尽さを訴える姿勢の監獄エッセイではどうしてもきな臭くて思想的になってしまい退屈さを付属させるが、これはあくまで体験記のようなもの。
なので、刑務所の中をただ淡々と描いたのが実に良い点。
読み応えはあるが、中身には乏しい内容。もっとも、刑務所のなかの生活自体が、中身に乏しいので、それがこうして直に伝わるということは、それだけ再限度が高いともいえる。ルポ作品としての評価の高さも納得。
ただ唯一の欠点としては、これを読み興味がわき、刑務所内へ羨望を向ける輩が出るかもしれない、といったことに尽きると思う。しかしこれもまた、本書の魅力を証明することに過ぎないのだろうけれど。
第9位。
『料理王国―春夏秋冬』
内容としては、エッセイ的あり随筆的でもある。
何章かに別れ、なかでも最初の章による食に対するスタンスが特に読み応えあり。
後半は食材や調味料についての一筆書き的内容であり、勉強になったが主観的な意見も多いように感じた。しかし日本料理を見直すきっかけになり、日本料理の良さを再認識。あと鮎がとてもうまそうに思えてくる。そして山椒魚や蛙などを美味しいものと絶賛していたのが意外ではあった。
同時にフランス料理を貶しており、その辛辣さと言ったら!
本書はあとがきの解説が秀逸であって、魯山人という人柄を平易にも的確に表し、なるほど確かに毒舌だったのだとよくわかる。しかしこれもまた解説の言うとおりだが、含蓄深い言葉も本書には多く、味音痴に対する旨い物を食う秘訣を「空腹になること」、知識ばかりの味通には「トリックを用いよ」として有名どころの産地をいえば喜んで食すという。するとこの時代からも既に「情報を食う」グルメ気取りの輩は群れを成し、こうした方法は有効であろう。
また、掌編小説のようなものもあり、目や口や鼻が「わたしこそ美味に対する貢献が一番である!」と言い争う『遊戯 食道楽』はなかなか面白かった。
「茶碗蒸しは固まりすぎて硬すぎない、京都産のものが良い」や「魚は本来、川と肉の境目に旨さがある」などの具体的な知識も。そして蔓延る似非グルメ者を一蹴する意見は爽快。料理人とてしっかりとした料理に対する価値観、含蓄を者を持つ者は稀有であるのだなとよくわかる内容。
「料理とは、理をはかる事である」とする言葉が印象的。
こうした本は、料理人ならば一読すべきであると、思える一冊であった。
家庭料理と料理屋との違いについても述べており、一読すると、決して料理屋の料理こそが最上ではないのだとわかる。その際における、料理屋料理の欺瞞さときたら!多少、衝撃的でもあったが真理的。物事の良し悪しをはかる上での、目安となり価値観を添付してくれるという意味では、なかなか良い本に思えた。
料理が好きな人、食に興味のある人は、 一読して損のない内容!
第8位。
『サイエンス・サイトーク 愛は科学で解けるのか』
サイエンス・サイトーク 愛は科学で解けるのか (新潮OH!文庫)
- 作者: 日垣隆
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2000/10
- メディア: 文庫
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文庫本。さっと読める割には想像以上に面白かった。
内容としては、求愛行動や愛や恋、セックスといった情動を脳科学的もしくは動物学、遺伝学的に視察する。
平易にこうした情動についてが語られ、意外と含蓄深い本。
まずショウジョウバエの研究成果から始まり、このハエを通じてセックス模様を観察。するとハエにおいても、しっかりとした流れがあるというのは少し以外であり面白い。人間的にいえば、ハエも紳士であるということだろうか。
また、遺伝的な欠損やクリーニングによって同性愛のハエ、つまりホモのハエを人工的に作り出せたという結果にも少し驚き、この結果からある種の遺伝子がこうした作用をもたらしているのだと考えられ、すると人間においても同等のことがおきているのではとするのは驚きである。
本書は全4章からなり、どれも思いのほか面白くて楽しめ、勉強にも。
サルやゴリラにおける求愛行動についてや、人間との比べ方、また人間以外では近親相姦の起こる確率が非常に低いという事と、他の動物は性行為を人間のようにひた隠しにしない、というのが特徴的。
また、“愛”の優位性を語っているのも印象的で、恋愛至上主義ではないにしろ、やはり愛とは重要であって関係欲求なるものによると知る。関係欲求の重要さとそれに付きまとう上昇志向が人生においての重要なベクトルを占めやすく、難しいところに思えるところ。しかし何事も人生の糧となるので「考えるよりも行動」「行動してから考える」ことの重要性を説き、いい啓蒙となりそうではある。
「相対的な主観」といった概念葉重要で、つまりは客観性といってもそれを思い書くのは個人であって、個人のフィルター越しの客観性ゆえそれは絶対的な客観には成りえない。それを説明し、登場したのが「相対的な客観」であり、これが一般的な“客観”であり科学らしさについての解説も。
他には、生き物と死に物を比べた際に持ち出した状態であり、それを評して言う「非線形」。つまり死に物は生き物と違って入力と出力が比例せず、非線形であることが特徴であるそうでまた印象的。
あと自己受容の重要性と、人の脳が自己受容を形成していくプロセスを平易的にも具体的に述べているのが分かり易過ぎで凄く、「こうも簡単な原理で自己受容の形成はされているのか…」と感慨深く思えたほど。
人が惹かれるのは結局フェロモン、すなわち匂いであるというのと、それに関わる糖たんぱく質HLAといった存在が印象的。すると、惹かれるといったことも機械的な情動を匂わせ、なるほど面白いなと思う。
第7位。
『時の矢―あるいは罪の性質』
意欲作。
本作は時間の流れに逆らって展開していくという実験的な作品であり、読み進めるほどに過去へと遡っていく。
文章中の表現も巻き戻りをしているので多少ややこしく、たとえば主人公は医者であるので、医者の行為を時間軸として逆に描くとこうなる。
医者は患者を壊して送り出す。
このように書くので、慣れれば想像できるが、それでもすべての事象がこうした風に逆回転で書かれているので分かりにくい。
こうしたアイデアの小説がなぜ今までになかったのか?そこで思い出すのはネットで見た金言で、「先人は試した上であえてやらなかった」というものを想起させた。
それほどには読み難く、こうした逆に描く作品は著しく読みにくい、といったことを認識した上であえてやらなかったのでは?と思わせた。
物語としては、主人公が事故って病院で横たわり死の淵から始まり、そこからベンジャミンバトンのように時間が巻き戻り始める展開。
解説にもあったように、もうひとつの特徴は語り部の“わたし”が魂といったことであり、自分を俯瞰するようにいるだけで、自分の肉体は操れずただ傍観者に徹している、という点。
その俯瞰者としての“わたし”が自分の肉体を見つめる話で、どんどんと若返っていくさまを回顧的に語る。
展開としては、中盤まではどこか秘密を秘めながらも恋愛情事を主に持ち出し、色情豊かさを思わせながら、後半からは怒涛の展開。衝撃的。
ミステリーものとして秀逸に感じさせた。
全体としてなかなか難解で読みにくく、主人公の思考も湾曲した表現が多かった。
この湾曲表現に逆周りの世界における描写と、分かりにくさの重複であって、ひとえに読み難さを呈していた。だがそれこそこの作品の醍醐味でもあって、訳の微妙ささえも、その一端を担うようにすら感じる。
どんどんと若返り、無垢な時代へと戻っていく自分を眺めながらすべてを語る“わたし”はすべてを知っており、すると読み手にもその感慨深さは自然と伝わり、生とは?といった哲学的な示唆を問われるようで読み応えあり。
本書は意外にもSF感は希薄で、同様にファンタジーさも顕著に示さず、意外にも文学的な面が強いように思わせる作品。
第6位。
『パンの歴史』
パンの歴史についての記述は紀元前からなり、特に中世時におけるパン事情に関しては充実。
パンの成り立ちや当時のパンの役割、社会的位置、パンがどのように思われどのように崇められていたかが良くわかる内容。
パンは宗教的な色合いが強いと知ってはいたが、その具体性を本書を通じてより知り得れた。また、パンの名言や格言なども載せてあって、パンのトリビア的知識に関してもばっちり。
水車を用いての石臼についてなど穀粉に関する知識も充実して載せられ、製粉の歴史についても力を入れていたという印象。
パンの歴史的側面のみならず、パンに関するまじないまでもが知れる内容であり、昔はかびたパンをまじない的に良いものとして食べさせていたというのは、恐ろしい事実。
パンのギルドに関する知識も深めに追求し、組合を形成していたパン業界の光と闇も知れる内容、パンと歩む世界の歴史の流れ。それを学ぶ上でとても勉強になる本だ。
第5位。
『星屑ニーナ』
全4巻の漫画作品。
内用としてはSF。
ロボットとニーナという少女による探検記であり冒険譚から始まり、移り行く世界を鮮やかに描く。情緒的な作品であって、時系列をバラバラにしているのが特徴的。
ロボットを通して人間性の是非を問うような作品。
連続する短編小説のような雰囲気を思わせた。
人間とロボットのつながりを大きく認識させる、ある種におけるドラえもん的な作品でもある。色濃いノスタルジーさもその所以であると思う。
未来ガジェットが登場しながらも独特の世界観により、これは未来というよりは別世界を想起させる。すると幻想的でもあって、ノスタルジーさと相まって不思議な酩酊状態のようになって楽しませてくれる。一種の映画的な作品でもあり、世界観にすっと自然と没入できる作品。その世界観の個性とこうした万人性と呼べる没入感のバランス具合がすばらしい!
良い作品であると同時に良いSF。ドラえもんなど人に寄り添うロボットが登場する作品が好きには人にはうってつけ。
第4位。
『パラノイアに憑かれた人々〈下〉虫の群れが襲ってくる』
上下巻ともに面白く、それでまとめて紹介!
本書は優秀なノンフィクションの作品であり、同系列として思いつく本は『脳の中の幽霊』。パラノイアの患者を通してその現実について知れることのできる貴重な一冊。
ユーモアさも優秀で、読んでいて飽きることのない内容だ。
人間成る者のおぞましい一片を知ることができる。
低周波電波が睾丸に影響があるとの説を信じアルミのパンツを履いた男が登場したり、歯が喋りかけてくると言った妄想を持つ女性。失楽した女バレエダンサーに、虫が襲ってくる幻覚に苛まれる男性。
著者本人がをれらパラノイア患者と接触してその模様を描き、どれもがとても強烈。
悲劇的でありながら人間的で情動を揺さぶられるような話も多く、感動的ですらある。
パラノイアとは?という勉強にもなり、コカインなど麻薬の恐ろしさも痛感する内容。しかしパラノイアは誰でもなる可能性があり、そこにさらなる恐ろしさを感じたりもする。そして、見える幻覚にはやはり原因、由来があって、それが徐々に明らかとなっていく様はフィクション作品のようであって、実によくできていた。
ぶっとんだパラノイドは想像していた以上に過激で、常識から逸脱が激しく、その乖離具合はもはやSF!
なかなか凄い本だった。
他には、パラノイアは大脳皮質における辺縁系の異常が原因であることを知れるなど多少勉強にも。エル・トポ。メスマーが作ったとされる幻覚を見せるという蓄電器『バケット』も注目に値する。
第3位。
『幸福について―人生論』
ショーペンハウアーによる一冊。
内容としては一読すると、なかなか厭世風味が強く感じ、また自己擁護的な印象も。
つまりショーペンハウアー本人の気質を表すような内容であり、手厳しい内容。
印象的なのは社交クラブを嫌悪する姿勢であり、孤高の孤独を愛しみ崇めていたところ。
なるほど確かに孤独とは、俗人との関係を隔てる上では重要であり過去の偉人も同様のことを唱えている。しかしここに少々の誤謬を感じ、つまり確証バイアス的なものが多少なりとも感じられたりもした。ただ唱える幸福論は多少なりとも納得し、得るものばかりを追い求めるのはきりがなく、外面的ではなく内面的の充実化を唱えるのには大いに同意。
しかし、他者や親しい者とのかかわりをできるだけ避け、「失うものを減らすことによる平穏さこそが幸福」とするのは正論かもしれないが、耄碌した意見にも感じる。
本書は『哲学書』というよりは『啓発書』と呼べる内容であり、賢人として過ごすための知恵や工夫が綴られているといった印象。
やはり特徴的なのは「得ることよりも失うことでの波紋が大きい」ということで、「俗人は外からの刺激がなければ満足できないが、賢人は内面にあるもので満足ができる」とし、これが最大の幸福としての秘訣と主張する事。
また、最初のほうにあった大きな主張「道楽者は退屈に屈し、貧者は忙しさに取り付かれる」といったのが印象的であり、ある種の真理に聞こえた。
貧者はその貧しさから放蕩するが、道楽者は暇をもてあまして放蕩する、といった確信ごとも印象的であり人間の本質を見抜いているようで面白い。また、外からの刺激でなければ満足できない人間の教養のなさを何度も指摘しては手厳しい。
人間なる者の本来の幸福とは、やはり内面性の充実に尽きるのであるのでは?と妄信的に思うようになること請け合いだ。
本書は孤独なることによる賢人性の獲得と、その性質について雄弁に語り、俗人の文化を全面否定する内容。そこに厭世主義者性と、これまた面白いが、そこにこそ一種の妬みの気質を感じるのだから面白い。つまり互いにないものねだりすると言うのはやはり真理であり、低俗が博学者を妬むように、人望あふれる者をまた妬んでいるのでは?とも受け取れる。
「賢者は黙ることでこそ、その存在性を示す」
とあるが、するとこの本の存在は何なのだ?といった二律背反にも思えるので面白い。カフカの「知的な作業は人を孤独にする」といった言葉もあるように、カフカもショーペンハウアーの書物を読んでいたのかもしれない。
本書はセネカの言葉もいくつか引用し、セネカ同様にストア主義的な側面も見せた。
読み応えある内容。
ほかには、「幸福は受動的なのに対し、苦痛などは能動的とする」というのも印象的で、「相手が幸福かどうか知る手っ取り早い手段は、今の不幸を訊ねることだ」とするのは真理だろう。些細な不幸を述べるのであればほかに不満がないので、幸福ということになる。
本書は幸福についての真理を簡潔に述べ、それは古今東西変わらないものであると知らしめる。それは当然であって、同じ人間なのだから!
人間は急に進化した分、原始的な部分は変わらず。人の気質は変化していない。
それが顕著にわかる内容であって、「人間の気質は変わらない」と本文中に何度も提唱していたのも特徴的。
故に、合わぬ気質の者を改善させようとする努力は無駄と説き、合間まみえぬ相手にはそれ相応の対応をとることが賢者とする。
全編を通し、やはり読み応えあった。
本書は晩年に書かれたものからのひとつを文庫化したものであり、解説どおり処世術について簡易にそして細かく描かれ、実用的。
平易であるので読みやすく、理解もしやすく万人向けといった印象。
金持ち喧嘩せず。
この格言に習い、内面の金持ちになれと唱える本書は、やはり叡智に満ちていた。
第2位。
『さあ、気ちがいになりなさい』
フレドリック・ブラウンによる短編集。そして訳者は星新一!
どれもはずれはなくて楽しめ、とても面白い!
なかでも「電獣ヴァヴェリ」が特によかったという印象。異星人によって電気を奪われてしまい…という話。物語の結末には一捻り。
「ノック」は星新一先生が好きそうな作品。
異星人を描くのがうまいな、と思える作品。
「ユーディの原理」は独特ながら面白い発想。
「沈黙の叫び」なる作品もよく、音に関する議論は読み応えあり。
表題作「さあ、気ちがいになりなさい」は収録作の中では一番長いもので、抜群に面白い。内容としては終盤にかけて急激にシリアスになったりもし、そして衝撃的な展開。最後までハラハラさせる勢いのある作品。
印象として「ひと筋縄ではいかないのがこの作家さんの特徴なのか」と思える作品集。
正気と気ちがいの概念ばかりで転覆しそうになりそうだが、その気ちがい好きさが実に面白い。「さあ、気ちがいになりなさい」はある種のメタファー作品であって、現代の病む人たちへの投影なのかもしれない。そう思うとより深く感じる作品で、どの作品も単純でシンプルながら、教訓じみた要素あり。
「不死鳥の手紙」などもあっけんからんとしながら雄大なことを語りそして人類へのフラットな批判は痛快でユーモラス。自虐的でもあり、なかなか。あと個人的には「シリウス・ゼロ」も好きな作品で、終盤での流れは大好き。
全体的にはずれなく、評価の高さも納得の出来。
そして星新一氏が通訳を買って出た意味もわかる秀逸な短編集だ!
第1位。
『輝く断片』
内容としては、SFながらミステリーよりな作品を集めた内容。
表題作「輝く断片」は訳者が絶賛していた理由も一読するとよく分かる。
不気味でありながらも哀愁を臭わせ、実に人間らしい作品!言うなれば、人間の普遍的階層欲求を突いて示すような作品。
「君微笑めば」はとても好きな作品。サイコパスを描いた前衛的な作品で、なかでも「人生を楽しむコツは、細部に気を向けることだ」といった台詞もまた印象的。全体的な流れも好き。
「旅する茨」は娯楽性に富む作品であって想像以上に面白かった!
ウィットに飛んだ会話には所々で笑い、また展開もスピーディで飽きさせない。
「ルウェインの犯罪」はコメディ作品。滑稽さはコントに通ずるものさえ感じた。これもまた予想以上に面白く、はまる作品。
まさに名作ぞろいで、スタージョンはミステリーも長けるのだとよく分かる一冊。
スタージョンの描く作品は、やはり人間の内部分を鋭くえぐっており、独特の思想を登場人物を通して語らせる。その見解はどれも示唆深く、熟考する価値があるよう思えるものばかり。
読み終え、体は火照り嬉々した興奮を得られたほどで、良い小説を読み終えたあと特有の心地よい余韻。お勧めの小説だ。