アニメ18ifの第9話「アイドルはトイレにいかない!」においての面白さとは如何に。
全編アイロニーに富んでいて笑うww
昨今では「暴力表現の限界に挑戦!」なんてアニメも多い中、
この作品はいつも別の意味での限界に挑戦しているようであって、見応えある。
特にこの9話は、わかり易いパロディーに暗喩も豊富で、作っているほうも楽しそう。
あと特徴的に感じるのは、この作品は最低限の台詞のみでやっており、記号論的な色合いを協調している作品ではないか、ということ。
なのでコミュニケーション論とかの授業に使用しても、良い題材になると思うw
この作品、やっぱり面白い。
あとこの9話の感想として「シニカル的」といったコメントがあり、
「アイロニーとシニカルってどう違う?」と気になって、少し調べてみた。
そうして得た印象としては、アイロニーは
”皮肉な自体ながらも笑いを含ませる”
といった、いわゆる「ユーモア」的な印象で、
逆に「シニカル」は、
”そこに一種の軽侮性を含有し、厭世さを匂わせる”
という「ウィット」感を思わせた。
この「ユーモア」と「ウィット」の対比について、
お気に入りである文庫本シリーズ『ポケット・ジョーク』においての
第2巻、”男と女”においてのあとがきにて、こう述べてある。
ユーモア 滑稽なものを見つけだし、表現し、また、それを楽しむ能力。
ウィット ものごとの理不尽さを感じとり、皮肉、風刺などにより巧妙に短評する能力。
ウィットの笑いは、批評の笑いである。
ユーモアの笑いは傷を癒す笑いだ。
ウィットはだしぬけで、人の意表をつきしばしば冷笑的である。
これに対し、ユーモアは、のんびりしていて、せわしさがない。悪意、がない。
ウィットは肺腑をえぐる鋭さがなければならないが、ユーモアには心の傷をそっと包み、癒してくれるやさしさが必要なのだ。
ウィットは、知性に対する挑戦だが、ユーモアはあたたかい同情である。
こうして並べて考察すれば、アイロニーとユーモア、シニカルとウィット、一部の同意性はあっても、まったく別物とよくわかった。
けどそれは当然で、まったく同じもしくはどちらか一方を統合していれば、それぞれ言葉としての存在意義が成り立たないわけで、その微妙なニュアンスの違いこそ重要。
つまりはまとめると、
「アニメ18ifの第9話は、とってもアイロニー的ながら、声優ファンにとっては実にユーモア的だった」
ということであるのを、その配役と、経歴を見て思うわけだ。