book and bread mania

-中途半端なサウスポーによる日々読んだ本の記録 + 雑記 + パンについて-

『マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった』

 

マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった

マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった

 

 マイクロソフトに勤めていた著者が、旅行先で影響を受け、慈善企業家になる話を綴ったノンフィクション。

 

ネパールなど貧しい国に教育を。本を。

素晴らしい取り組み。そして、他の慈善企業家と違うのは、彼が元マイクロソフト出身だと言う事であり、運営に対して現実的であること。

 

運営資金のやりくり。企業には尤も重要な事だが、それがこと慈善事業となると軽視されてしまう。

そして慈善事業ゆえ、お金の話はタブーとされがちで、お金の話題をあまり前面に出すのは好まれない。

そういった風潮をぶち破り、現実的に尤も効率よく慈善をする団体、それがこのジョン・ウッドが立ち上げた”ルーム・トゥ・リード”だと言えるだろう。

 

本書の中身には、この”ルーム・トゥ・リード”の具体的な活動内容、成果はもちろんのこと、元マイクロソフト出身と言う事で経営に関するノウハウや経験談なども盛り込まれている。

 

それと所々に入る、ユーモアが面白くて良い。

 

マイクロソフト社員時代、忙しさにかまけて友人知人に関わらず、久々に帰宅し留守電チェックをするとゼロ件。

”機械に「負け犬」と呼ばれた気がした”

この一文は秀逸で、思わず爆笑。こういったユーモアは大好きだ。

 

他にも、アジアで蔓延る海賊版ソフトに対する元上司の発言。

”『海賊版』などというくだらない呼び方はもうたくさんだ。冒険野郎か何かに聞こえる。眼帯を着け、オウムを肩に乗せてラムを飲んでいるみたいだな。ありのままの名前は-泥棒だ”

確かに海賊版と呼ぶと、完全には悪く言っているようには思えないなと気づかされる。

冒険野郎とはまた上手い事を言ったと思う。

ある意味では、確かに冒険しているのだから。