まじめな時間
名作。おすすめ。
漫画だけれどリアルな死後の世界感。
尤も、誰も死んだ後の事を知らないので、これがリアルと言うのは多少なりとも語弊があるのだけれど。
それでも、誰もが一度は思う「死んだらこうなるのでは?」と言う世界観を、巧みに表現しているのは間違いない。
切ない。
死んだ後はその存在を気づかれず、そして次第に忘れられていく。
自分が死んだ後も、世界は変わらず時間を進め、周りは普段通りの生活をしていく。
自分が死んだからって、過度に何か生活を変えてくれや、大いに悲しんでくれ、などと言うのは死んだ者のエゴかもしれないし、生きている内に思う者のエゴでもある。
所詮、人の死は他の生き物の死と何ら替わらない、のかもしれないし、自身が間接的に殺してきた各生物の事を労わり憐れんだかと言われれば、賛同できる者の方が少ないだろう。
今日、自分が食べた牛肉を見て、思い出して、悲しいと泣く人間は居るだろうか。
適度な距離を保った人間関係における者の『死』とは、その程度の事かもしれない。
けれど、そんな中でも大切な人、存在と言うのはある。
それら大切な人々には、意思を、言葉を伝えたい。
そんな話。