book and bread mania

-中途半端なサウスポーによる日々読んだ本の記録 + 雑記 + パンについて-

5月に読んだ本からのオススメトップ10

5月に読み終えた本は57冊。

けれど今月はマンガばかりを読んだ印象。

それでも、その中からオススメのトップ10を紹介!!

 

 

第10位

『暮しのコツと科学』

暮しのコツと科学 (ちくま文庫)

暮しのコツと科学 (ちくま文庫)

 

 内容としては、料理、掃除、洗濯など家事一般に関わる事について述べており、それら捗る方法を科学的に解説。

料理では電子レンジの機能の解説から始まり、その活用の仕方や効率よく使用するための注意点などを記してある。天ぷらについての記述もあって揚げ油についての科学的な解説、揚げ油の酸化が進む理由や、揚げ物のカラッと上げる仕組みについて等も。

洗濯についてでは、界面活性剤とは何ぞや?ということでそのメカニズムを細かく丁寧に解説。洗剤とは実に合理的な化学反応を利用したものであり、活性剤が水分子と油性分子を乳化させ分離し汚れを単体にして放すという構造には美しさすら感じた。あとこれを読み、初めてクリーニング屋のドライクリーニングがどのようなものかを知り、そして万能ではないことも知れた。

 また、服の白色が人工的なものとは意外で、白に見える衣類は、自然の発色が弱い薄青色を加える事で白色に見えるようにしているという事実は意外!

生活に関する知識は豊富で、科学的な知見のため納得もでき普遍的にためになる本。

家事を科学的に捗らせたい!という人にはオススメの一冊。 

 

 

第9位

『マンガ 食べながら上手にやせる本―正しいダイエット法がラクラクわかる』

古本屋で見かけて購入した一冊。

けっこう古い本なので、ダイエットに対する知識が現在とどのように違っているか?と興味が沸き購入した本。マンガなので分かり易いのでは?と思ったためでもある。

実際に読んでみると、ダイエット中の主人公がおこす行動や、それに伴うダイエットに関する知識。それらがマンガの下部スペースに書き込まれており、マンガ自体とこの説明文とが相まり、ダイエットについての知見は想像以上に分かり易い。

そしてダイエットに関する情報は古臭いかと思いきや、決してそんな事はなく、ダイエットに対する基礎知識を忠実に述べる内容。

基本的なダイエット知識をマンガのストーリーを通して表現し、食事制限についてや、昨今でも言われる食べる順番がもたらすダイエット効果などの知識も提示し、確かにこの本どおりのことを実践すれば、今でも問題なく痩せるであろうと思えた。

あと意外と新たに得られた知識もあり、例えばパセリなどは揚げ物にすると、油を染み込ませやすいとのことでだいぶ高カロリーになり、パセリの揚げ物は400カロリー以上にもなるとは露知らず驚いた!

他には食べ物のカロリー情報や、運動の重要性やその消費カロリー、また外食時の注意点なども述べられており、とても丁寧な内容といった印象のダイエット本。

そして最後には、”女友達の妬み嫉妬こそが、時にダイエットの邪魔をしてくる”という情報があり笑ったw

 

 

第8位

『地球はプレイン ヨーグルト』

 日本版『宇宙戦争』が思いのほか面白く、その展開と人情模様には感動。どの短編もテンポがよく、そして哀愁漂う作品もいくつかあり悪くなかった。

中でも『美亜へ贈る真珠』という作品はオススメであり、美しくそれでいて儚い話。

表題『地球はプレイン・ヨーグルト』はなかなか秀逸なタイトルだと思う。

 

 

第7位

バーナード嬢曰く。1 』

バーナード嬢曰く。: 1 (REXコミックス)
 

本好きにはお勧めの漫画! - book and bread mania

SF小説好きがゲラゲラ笑って楽しめる本!w

 

 

第6位

『パンの日本史』

 日本にパンが最初に伝わったのは1543年ということや、1840年アヘン戦争が日本パン普及に繋がる出来事だった等が詳しく知れる一冊。

まさにパンを通しての日本史であり、歴史の復習にも役に立つ一冊。

あと意外だったのは、”カステラ”も実はパンの一種だということ。

ポルトガルでは正確に言うと“パン・オ・カステルラ”であり、この“カステルラ”はスペインのカスチリヤと言う地方をさす言葉であり此処が発祥と言うのも意外な事実。まるで民明書房のような解説に思わず顔は綻び、そしてカステラはお菓子であると元来思い続けていたので、この事実には多少ならずとも驚いた。

そして東大赤門前にて開いた“新宿中村屋”、インテリ層をターゲットに開業して大成功を収めたパン屋で、此処に従事していた飯島藤十郎と言う人物が現在シェア1の“山崎パン”開業の人物とのことで、その時から現在に至るまでパンを大量に売り上げているのだと思うと、なにか因果めいたものを感じる。

他にも脚気対策によって出来たパン普及の流れや、政府の方針変更により西洋文化を受け入れるようになったことでのパン普及についても述べてあり、日本へパンが普及した流れを知るには丁度よい内容の一冊。

後半の方に記してある”内村艦三”という人物が述べた、商法の真髄はなかなか興味深い言葉。

要約すると、”御客のことを第一に考えて少しでも売値を下げ、その分、汗水流して必死に働き薄利多売を心掛ける商売を行なえ”という内容。

普遍的なことに思えながらも、この言葉を真に受け、信念として会社を起こし経営をしたのが何を隠そう飯島藤十郎その人であり、その起こした会社がヤマザキパン!

つまりこの言葉通りのことを突き通して築き上げたのが昨今のヤマザキパンであり、そして今でもこの理念に沿った戦略で利益を上げていると思うと、その言葉は本当の意味で商法に対する真髄では?と思えてくる。

故に、後半の最後のみでも読む価値はあり、さらに最後には簡潔に日本のパン遍歴がまとめられており、とても要点が分かりやすく理解し易い締め方。秀逸であった。

 

 

第5位

『遺伝子が明かす脳と心のからくり―東京大学超人気講義録』

遺伝子が明かす脳と心のからくり―東京大学超人気講義録

遺伝子が明かす脳と心のからくり―東京大学超人気講義録

 

東大での講義、その内容を本にまとめた一冊。表題どおり脳と心についてを取り上げており、不安や鬱、記憶についてなどを科学的に解説。薬の作用によって脳の働きがわかり、そこから脳の作用が判明してきたというこれまでの歴史は興味深く、その流れは面白い。強迫神経症について等も取り上げており、例として挙げられていたアメリカ人男性の症状が印象的。簡略的にその症状を記すると

「私は高速を走っていて、何も誰も轢いていないが轢いた気がする。いや、轢いてはいない、もし轢いていれば衝撃があったはずだし、警察も来ているだろう」

そう頭では理解していても、彼は納得できない。

彼はその観念に取り付かれ、轢いてもいないはずの道を何度も引き返し、何度も何をなかったかを確認するため何度も来た道を車で戻る。これを繰り返してしまう。

何度目かの「轢いたかも知れない‥」と気になった場所へ戻り車を止めて辺りを確認。するとちょうど走行中のパトカーに発見されてしまい、パトカーは近くに車を止める。そしてパトカーから警官が降りてきて、彼へと近付いていく‥。

これだけ書くとまるでサスペンス映画。この話のオチは平坦であったけれど、この男性の縮小版のような症状ならば誰しもが経験あるのでは?

故に、そこで紹介されていた本『心の病気と分子生物学』も注目。

他にはトリプトファンセロトニンを形成するので、トリプトファンを摂取することの重要性を述べていたり、それをサプリメントで容易に摂取するアメリカ人の合理性についても。尤も、摂取という点においては、ただトリプトファンのみを摂っていれば効果があるとするのは眉唾で、トリプトファンを豊富に含む食物には当然他の物質も含有しており、相互作用によってトリプトファン吸収が促進されている可能性も大いにあるので、単にサプリに頼るのはどうかとも思う。

そして、風邪薬の意外な効用性も知れた。風邪薬の量で作用の仕方が異なるというのは意外で、レセプターが複数存在するのも、作り出す物質が変化するというのも少々衝撃の事実。血液を凝固する作用を持つ物質を生み出す物と、血液をサラサラにする物質を生み出す物。これらの元が、実は同じだというのは興味深い。

また、ある章では尿酸値と賢さの関連性についてが述べられており、意外であり衝撃的な知見。尿酸を分解する酵素を何故か人類は失い、サルはいまだに持っていて、この違いが人間としての進化に繋がったのでは?とする説は面白かった。確かに古代の偉人を見ても尿酸値の高い人物ばかりだったようで、この説も一概に間違いとは言えないかもしれない。

ドーパミンについては丸々一章を用いて述べており、ドーパミンが如何に人間の脳にとって重要なのかを思い知れる。ドーパミンがアドレナリンを作るのはもちろんのこと、過剰分泌されればAD/HDになる恐れがあり、不足になるとパーキンソン病を引き起こす可能性があるとのこと!

記憶に関しては、四つの細胞が密集して形成されている事が判明したらしく、そのうち細胞にはaとbがあって、幼児期であるb型の方が記憶力に優れるとのこと。

つまり人の記憶細胞は”記憶力に優れるb型から劣るa型に変容していく”という設計になっている!

この結果に対して著者は「年を取ると記憶力が悪くなる」ことの理由として挙げ、同時に記憶力が加齢と共に衰えるよう設計されているのは「人間本来はあまり長生きできないようにしてあるため」や「嫌な出来事を長く蓄積させないため」との意見を述べていたが、単なる「たんぱく質の変性、もしくは酸化などによる劣化なのでは?」とも思えた。

知的好奇心をくすぐられる良い本。 

 

 

第4位

ゼロ年代SF傑作選』

 日本人作家による良質なSF作品集。記事にも書いた一冊。

ゼロ年代SF傑作選 - book and bread mania

 _  ∩
( ゚∀゚)彡 ミサイル!ミサイル!かっ飛ばせ !!
 ⊂彡

 

 

第3位

『図解 豊かさの栄養学』

図解 豊かさの栄養学 (新潮文庫)

図解 豊かさの栄養学 (新潮文庫)

 

 栄養についての解説が丁寧であり、イラスト付きなので理解も容易!

昨今、食と健康の関連性がより重要視されている中、必読の内容とも言える一冊!

あんぱんダイエットこそ究極かもしれない - book and bread mania

 

 

第2位

純潔のマリア

純潔のマリア コミック 1-3巻セット (アフタヌーン)

純潔のマリア コミック 1-3巻セット (アフタヌーン)

 

記事にした作品。

純潔のマリアがとても面白かった件 - book and bread mania

 全3巻ながらも、ストーリーの流れは無駄がなくテンポが良い。

登場するキャラクターも魅力的であり、ユーモラスでもある。

そして幕の下ろし方は簡潔ながら感銘を与えるには十分なもので、明るい雰囲気の中においても根底にあるテーマは奥深い。

 集めやすい巻数でもあるので、オススメの作品。

 

 

第1位

 『ハイスコアガール

これもまた記事にした作品。

ハイスコアガールが素晴らしい - book and bread mania

最近、連載再開も決まって再び盛り上がりを見せている本作。

80~90年代のゲーセンゲーマーにとっては必読の書であり、テンションも笑い声も上がる一冊!実在ゲームを存分に取り上げている事で、センチメンタルな気分にもさせてくれる作品。

まさにゲーマーにとって大いに笑え、大いに泣け、大いに楽しめる快作!!